香りにはそれぞれに思い出が宿っていきます。線香花火を楽しんだ(もしかしたら幼少期や、青春時代などの)楽しく甘い思い出も、遺影で見る祖母の笑顔を思い出すこともあるのでしょう。もしかしたら同時に想起することもあるかもしれません。 そのいずれもが主体の経験したことであり、人生です。この短く何気ない日常を描いた一首に、人間が生きていくだけで蓄積されるさまざまな物事の重みを感じます。