イラスト制作Q&A②:イラストにリアリティーを出すには


「絵が上達しない」と悩む人たちに共通する点の大抵は「リアリティーがないこと」。
どんなにアニメ調やデフォルメした絵を描きたくても、「配置」「大きさ」「短縮法」などを気にすることができなければ不自然な絵に仕上がってしまう。
存在感や立体感を出すには?
リアリティーがなくなってしまう原因は、対象物をよく見ていないことが原因。写実的に描く場合は、実際にあるように描くこ と。キャラクターはリアルには描かないが、それでも押さえるところを押さえておくと、リアリティーのあるイラストになる。
奥行き

紙の上は二次元だが、人やモノは三次元の世界にあり、つまり奥行きがある。
たとえば、首や襟の見えている部分は平面でも、「後ろ側に回り込んでいる」部分があり、実際には見えなくても、後ろ側がどうなっているかを意識するだけで、イラストにリアリティーが出る。
ディテール

動物のキャラクターを描く場合は、擬人化して二足歩行させ たりするが、それでも動物全般 の大きな特徴は押さえておきたいところ。
たとえば、四つ足の動物の足の形、指の数、爪の位置、水かきの有無、しっぽの形状など、こうしたディテールを描くとよりリアリティーがでる。
遠近感

現実にある光景なら、近くのものほど大きく見え、遠くのものほど小さく見える。
また、近くのものほど細かいところまで描き、遠くのものはぼやっとさせる。これは実際にもそう見える。色も、手前のものほど濃く描き、遠くのものは薄くすると、遠近感、距離感が表現できる。
影をつける

影をつけると、平面的に描いたイラストでも立体感が出て、 そこに存在している感じになる。 影は、下か奥につけるのが基本。上から光が当たれば影は下につき、光が横や斜めから当たれば影は奥につく。
また、影が濃ければ強い光が当たっていることになり、薄ければ弱い光ということになる。
動き

ただ立ってるただけの人や動物を、走らせたり座らせたりさせて動きをつけると、生きたもののように見える。
蹴ったり、走ったりしているときは線をつけるとそれらしくなり、波線でぶるぶる震えている様子を表すこともできる。 体に動きがあると、表情もそんなふうに見えてくる。
線の太さと光

線の太さを変えることで、質感を出すことができる。たとえば、太い線で描くと、そのモノは硬いように見え、細い線で描くと柔らかい印象になる。
また、光が当たっていない部分は太い線で描き、光が当たっている部分は細い線で描くか、 光沢の部分を白くするように何 も描かない方法もある。
※本記事は「公募ガイド2017年12月号」の記事を再掲載したものです。