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川村空也

あなたとよむ短歌 vol.74 テーマ詠「宇宙」結果発表

柴田葵のコメント

「宙」は「そら」と読むのでしょう。宇宙は絶え間なく広がっていて、そのなかに太陽系があり、地球があり、自分がいて、おにぎりを食べ、具が入っている。まるでマトリョーシカのようですね。すべてはすべての内側にあり、外側にあるとも言えそうです。壮大な宇宙と、手のひらに収まるおにぎりがリンクする瞬間を描いた短歌です。 「そのときに」の「その」は「この宙が膨らんでゐる」を示すので、意味としてはダブっている部分です。音数が限られている短歌では、指示語(この、その等)を使って言い直すのは音数がもったいない、他の情報を入れた方が内容が濃くなる、などと言われることもあります。けれども、この川村さんの一首は「そのときに」こそが効果的ですね。指示語を使って、内容と同じように言葉も入れ子式になっている点がとても魅力的です。