生成AIは建築設計をどう拡張するか──MQue主催ラウンドテーブル開催


生成AI時代の建築設計と著作権をテーマにクローズドイベントを実施
株式会社MQueは2026年1月22日、「建築×AI Roundtable(第1回)」を株式会社三菱地所設計本店内にて開催した。生成AI時代における建築設計のあり方をテーマに、設計・DX・法務の実務者が集まり、技術的には可能だが使ってよいのか判断に迷う場面への向き合い方や、設計プロセスの中でAIを実装できる領域、技術と法務の間にあるギャップを埋める方法について率直な議論が行われた。
MQueは世界トップクラスの研究実績を持つ研究者とともに、複数の先端技術を組み合わせて実務に実装するディープテックパートナーである。建築事業においては、コンピュータービジョンを中核研究領域とし、画像・図面・3Dといった視覚情報を高精度に理解・構造化する技術を基盤としている。第1回となる今回は、生成AI活用において避けて通れない著作権・リーガルリスクを主要テーマに据え、特別講演とテーブルディスカッションを通じて議論を深めた。
増田雅史弁護士が生成AIと著作権のリスクマネジメントを解説
特別講演では、森・濱田松本法律事務所パートナーで一橋大学特任教授の増田雅史弁護士が登壇し、生成AIと著作権・リスクマネジメントをテーマに講演を行った。著作権の基本的な考え方を整理した上で、建築図面・画像・写真といった成果物が、どのような条件下で著作権法上の論点となり得るのかについて解説がなされた。その上で、生成AIを活用した場合に生じ得るリスクや、AI生成物の位置づけについて、実務上押さえるべきポイントが具体例を交えて示された。
特に強調されたのは、生成AI活用において重要なのはリスクをゼロにすることではなく、リスクの所在と大きさを正しく把握し、事業として許容できる範囲を見極めた上で判断することである点だ。技術の進展が速い領域だからこそ、完璧なルールを待つのではなく、判断軸を持ちながら活用を進めていく姿勢の重要性が示された。
30件を超える質問が寄せられ実務上の関心の高さが浮き彫りに
講演後は、株式会社三菱地所設計、株式会社大林組をはじめとする参加者による質疑・ディスカッションが行われた。30件を超える質問が寄せられ、生成AI活用に対する実務上の関心の高さがうかがえた。設計業務の中で生成AIを活用する際の位置づけや考え方、データの取り扱いや契約条件を踏まえた実務上の留意点、法務・コンプライアンスの観点をどのように実務判断に落とし込むか、社内外での利用を想定した判断軸の整理といった論点を中心に、具体的な業務を念頭に置いた意見交換が行われた。
生成AIによるアウトプットの取り扱いについては、一律の制限ではなく、利用目的や前提条件に応じた判断が実務上重要であることが共有された。あわせて、生成AI活用に伴うリスクについても、現場・法務・経営それぞれの役割を踏まえ、組織として判断プロセスや体制を整えていく必要性が確認された。これらの議論を通じて、生成AI活用においては、やってよいか・いけないかを単純に線引きするのではなく、前提条件を整理した上で、誰がどのように判断・説明していくかを設計することの重要性が改めて共有された。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000140645.html