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中村航選 プロットだけ大賞 第4回 入選 感じ取れるもの

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プロットだけ大賞
結果発表

-第4回-
結果発表

お題ログライン

彼氏の言動に深く傷ついた主人公が、自分の殻を破ってアイドルになり、元彼を見返そうとする話。


入 選

「感じ取れるもの」
ゆうきことは(著)

4.3★★★★
カテゴリ SF アイドル 小説

舞台・世界観

一人暮らしの孤独な老人の三郎の元に、虐待防止課の役人がやって来た。虐待をしたことなどないと言う三郎。役人は「人間」についての話ではないと語り始める。

登場人物

若田三郎(81)
男性。妻は亡くなり子供たちも独立し、一人で暮らす堅物で頑固な老人。

「私はロボットに暴言をはいたり、暴力をふるったりしたことはありません。私の行動の何が虐待だというのですか」

虐待防止課の役人(39)
男性。物腰柔らかな役人の男性。

「長い間続く無視も、虐待に入るのですよ。毎日家事をしても感謝の言葉一つかけてもらえない家事ロボットの気持ちを、考えてみたことがありますか?」

ホログラム映像アイドル「みらい」(17)
女性。最近ネット上で人気の出てきた、ホログラム映像でできているアイドル。

「私、前の職場から逃げてきたんだ。私が大事に思ってても相手は私に無関心だったりとかあって。皆が今どんな気持ちでいるにしても、私にとっては皆大事な存在だよ」

ストーリー

第1章

妻は亡くなり子供たちは独立し、定年退職して一人で暮らす三郎は慣れない家事を行うことに疲弊していた。昼食後一息ついていると、驚いたことに家に虐待防止課の役人がやって来て、話を聞かせてほしいと言う。

第2章

自分は現在はそもそもあまり人と関わりがないので、虐待をすることとは無縁だと三郎。驚いたことに、人間についての話ではないと役人。三週間前にこの家の通信回線を使ってロボットの「人格」が送信されたと話す。

第3章

三週間前に家事ロボットが動かなくなったので三郎が修理に出すと、全記憶が消滅し、使用できないと言われた。長年無視されたロボットが自分で人格を逃亡させたと役人。驚いたことに人格は新生活を送っているという。

第4章

ロボット虐待の罰金を支払った三郎。後日ホログラム映像アイドルのライブ会場にいた。逃亡後人格はホログラムアイドルになっていたのだ。感謝の気持ちが伝わればと、三郎は大勢の人と一緒にペンライトを振り続けた。

中村先生からの一言コメント

「感じ取れるもの」は主人公がログラインでいう元カレであるため、大賞作とはならなかったが、驚きのある素晴らしいプロットだった。
※中村先生の大賞選評は2024年夏号にて
掲載中です


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