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中村航選 プロットだけ大賞 第6回 入選 名探偵は私を余白と呼んだ

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プロットだけ大賞
結果発表

-第6回-
結果発表

お題ログライン

引っ込み思案な図書館司書が、本の中に入り込める能力を手に入れ、物語の世界での冒険を通して、現実世界での自信を取り戻そうとする話。


入 選

「名探偵は私を余白と呼んだ」
阿坂春(著)

4.3★★★★
カテゴリ ミステリー ファンタジー 推理 小説

舞台・世界観

司書教諭として小学校で働く真白は、ヤンチャな小学生グループに不名誉なあだ名をつけられていることを知る。上手くいかない毎日に失意を覚えつつ、立ち寄った古書店で、店主にすすめられるまま一冊の本を買う。

登場人物

寒川真白(さむかわましろ)(25)
女性。小学校の司書教諭。人の目を見て話すのが苦手で、自己肯定感も低い。昔からなぜか失せ物探しが得意。趣味は古書店めぐり。最近、ああ言えばこう言う新に手を焼いている。

「本の外へ出ても、変わらない現実があるだけかもしれない。でもいいの。私にも可能性があるって分かったから」

鳴宮新(なるみやあらた)(11)
男性。小学五年生。三兄弟の長男でイイお兄ちゃんでいる反動か、真白に横暴にふるまう。数年前に父親が失踪しており、周りは死んだと決めつけているが、新はまだ諦めていない。

「いつか父親を見つけ出して、ぶっ飛ばしてやる」

葉桐桜介(はぎりおうすけ)(36)
男性。探偵小説『ムツメ村奇譚』に登場する探偵。おおらかな性格。事件を解決するため、山奥の村へやってきた。ティータイムをこよなく愛しており、これを欠かすと人格が変わる。

「なるほど。あなたは天の神様ですら予想できなかった、このストーリィの余白……かもしれませんね?」

ストーリー

第1章

司書教諭の真白は、自由奔放な新に手を焼いている。仕事帰り、見慣れぬ古書店で探偵小説を買うが、読みはじめたところを新に目撃されてしまう。ひと悶着の末、驚いたことに、二人はその本の中へ落ちてしまった。

第2章

落ちた先は山の中。真白と新は、探偵の葉桐に拾われ、山奥の村へ向かう。独自の神様を祀る村人の話を聞き、真白は先ほど読んだ小説の冒頭を思い出す。驚いたことに、村では連続して子供が行方不明になっていた。

第3章

探偵のツレとして村に滞在することになった、真白と新。真白は見知らぬ人々、慣れない土地に怯え、民宿で半ば引きこもり状態で過ごす。しかしながら、葉桐と行動をともにしていた新が忽然と姿を消してしまう。

第4章

探偵助手として調査に踏み出した真白。苦手ながらも村人と対話し、解決の糸口を見つけようとする。本の知識や、失せ物探しの特技を活かし、事件の真相に迫る。事件解決とともに新を助け出し、二人は物語の外へ帰る。


中村先生からの一言コメント

「名探偵は私を余白と呼んだ」はまずタイトルが良い。名探偵のバディになる、というのはあまり考えたことはないけど、万人の夢かもしれない。素晴らしい。
※中村先生の大賞選評は
2025年冬号にて掲載中です


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