こうの史代が12年ぶりに挑む！般若心経が2色カラーの美麗コミックに

2025/03/07

人気漫画家・こうの史代が、約12年ぶりとなる新作長編ストーリー漫画『空色心経（そらいろしんぎょう）』を2025年4月7日に発売することが決定した。朝日新聞出版から刊行されるこの作品は、日本で最も有名な経典である般若心経をモチーフにした、全編黒色と空色の2色カラーで描かれる美しいコミックだ。

『この世界の片隅に』や『ぼおるぺん古事記』など、独自の表現で知られるこうの史代。漫画家生活30周年を迎える今年、ファンの期待に応える新作を世に送り出す。物語は、スーパーで働く女性・あいが観自在菩薩（観音さま）の説く般若心経と出会い、変化していく様子を繊細に描いている。

本作の特徴は、全編が黒色と空色の万年筆で描かれる2色カラーコミックであること。この斬新な表現方法により、現代の日常と仏教の世界観が見事に融合している。くるくると表情を変える愛らしい観自在菩薩の姿や、般若心経の深遠な世界観が、読者を魅了すること間違いなしだ。

『空色心経』は、未知のウイルスが蔓延する現代を舞台に、スーパーマーケットで働く麻木あいの悩みと、遥か昔のインドで観自在菩薩とお釈迦様の弟子・舎利子との対話を交錯させながら物語が展開する。般若心経との出会いを通じて、あいの心境がどのように変化していくのか、読者の心に響く展開が期待される。

こうの史代は、1968年広島生まれの漫画家。『この世界の片隅に』のアニメ映画が大ヒットしたことでも知られ、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞や手塚治虫文化賞新生賞など、数々の賞を受賞している実力派だ。

『空色心経』は、B6判、オール2色カラー、136ページ（予定）で、価格は990円（税込）。般若心経をテーマにした美しいビジュアルと深い精神性を兼ね備えた本作は、こうの史代ファンはもちろん、心の癒しを求める読者にも強くアピールする一冊となりそうだ。