東京の中心部に位置する「シビック・クリエイティブ・ベース東京［CCBT］」が、2025年度のアーティスト・フェロー5組の募集を開始した。このプログラムは、アートとデジタルテクノロジーを融合させ、都市をより良く変える表現や探求、アクションの創造を目指すものだ。

CCBTのアート・インキュベーション・プログラムは、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民に開放することで、社会に大きなインパクトを与えることを目的としている。選ばれた5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ等を実施する。

今年度の募集テーマは「これからのコモンズ」。デジタル・コモンズやグローバル・コモンズの概念を踏まえ、これからの社会や個人の在り方を考えるアイデアや表現活動を募集している。例えば、ブロックチェーンを用いた新しいコミュニティの提案や、環境問題を考えさせる映像作品、都市空間を変容させる仕掛けなど、幅広い分野からの応募が期待されている。

CCBTは、選ばれたフェローに対して手厚いサポートを提供する。制作費は上限1,000万円、制作スペースの提供に加え、専門家によるアドバイスや技術支援、プロモーション、マネージメントのサポートまで行う。これにより、クリエイターは自身のアイデアを最大限に実現できる環境が整えられている。

過去3年間で15組のアーティスト・フェローを輩出してきたこのプログラム。VRを使ったツアー型展覧会や、がん細胞を用いた生命倫理を問うプロジェクト、東京の多様なライフスタイルを3Dアーカイブ化する試みなど、革新的で多彩な作品が生み出されてきた。

応募期間は2025年4月1日から4月20日まで。18歳以上で日本在住、5年以上の活動履歴を持つクリエイターが対象となる。選考を経て、6月中旬に5組のフェローが発表される予定だ。

CCBTのこの取り組みは、東京を起点としたクリエイティブの波を世界へと発信する重要な役割を果たしている。次世代のアーティストたちが、テクノロジーと芸術の融合によって、どのような未来を描き出すのか。その答えが、このプログラムから生まれることが期待される。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000786.000038211.html