モントリオールの街角が奈良に!写真家セルジュ・クレマンが捉えた「閉ざされた世界」の美しさ


カナダ・モントリオールを拠点に活動する写真家セルジュ・クレマンの個展「POST HUIS CLOS」が、2025年4月18日から7月13日まで奈良のMOMENT Contemporary Art Centerで開催される。クレマンの作品は、都市の風景や日常の瞬間に潜む詩的な要素や見過ごされがちな美しさを再発見することを試みており、本展ではコロナ禍前後にモントリオールの街角や旅先で出会った光景をモノクロでおさめた写真群が展示される。
「HUIS CLOS(閉ざされた空間)」という言葉が示すように、社会全体が閉鎖的になった時期の都市が抱える静寂や孤独を感じさせる作品群。しかし同時に、強い明暗のコントラストによって鑑賞者に鮮烈で開放的なイメージを与える点も特徴的だ。クレマン自身は「POST HUIS CLOSは、写真という言語の核心に迫る展覧会である」と語っており、日常的な都市の風景を通して世界に潜むリズムや深く脈打つ鼓動を表現しようとしている。
本展と連携して、京都国際写真祭の期間中(4月11日-5月11日)には、シニア世代の写真・映像芸術プロジェクト「FOTOZOFIO」の四条通東洞院地下道会場でもクレマンの作品が特別展示される。京都と奈良、二つの古都で現代的な写真表現を楽しめる貴重な機会となりそうだ。
さらに、展覧会に関連したイベントも予定されている。4月19日には、クレマンとガスペジー国際写真祭ディレクターのクロード・グレによる公開ポートフォリオレビューやアーティストトークが開催される。写真家志望者にとっては、国際的に活躍する写真家からアドバイスを受けられる絶好のチャンスだ。
1975年から写真家として活動を続けるクレマンは、ドキュメンタリーからインスタレーション、詩的な物語、都市景観、写真集まで幅広い表現手段を探求してきた。その長年の功績が認められ、2012年にはCALQ芸術創造賞を受賞している。
都市の日常に潜む詩情を捉えたクレマンの作品世界。コロナ禍を経験した私たちの目には、どのように映るだろうか。奈良の地で、カナダの写真家が切り取った「閉ざされた世界」の美しさを体感してみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000048411.html