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地方芸術祭の課題を問い直す、愛媛県四国中央市で第3回「十一面」開催

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報道発表
プレスリリースより

地方芸術祭「十一面」が3月に開催、テーマは「つづく、おわる、つづく、」

愛媛県四国中央市で民間主導により運営されている「新長谷寺藝術祭『十一面』」の第3回が、2026年3月13日(金)から29日(日)の計13日間開催される。十一面実行委員会(代表:(株)Smells good company 髙橋将太)主催のこの芸術祭は、山寺・新長谷寺およびその周辺地域を会場に、アート・デザインの価値向上を目的として展開される。

入場料は無料で、開催時間は10時から17時(最終日は15時まで)。月・火曜日は休みとなる。県内外から招聘した10組以上の初参加アーティストが参加し、従来の展示に加えてパフォーマンスや食に関するプログラムも展開される。

3回の開催を通じて進化する鑑賞体験

本芸術祭は2023年に初開催。代表の髙橋と、高校時代の同級生で東京で作家活動を行っていた田渡が、故郷である四国中央市で偶然再会したことをきっかけに立ち上げられた。初回は「芸術に出会うこと」、翌2024年の第2回は「芸術を鑑賞すること」を主題とし、延べ約7,000名の来訪を得ている。

第3回となる今回は「芸術を鑑賞し、そこから考えること」を主題に据え、単なる地域活性化ではなく、地方芸術祭のあり方そのものを批評的に捉え直す視点を導入する。「つづく、おわる、つづく、」というテーマを通じて、全国の同型地方自治体が直面する共通課題への問いかけを目指している。

地方自治体が抱える「儀礼化」と「消滅」の課題

本芸術祭が今回の方向転換を決めた背景には、2つの大きな理由がある。1つ目は、多くの地方芸術祭における「儀礼化」への違和感である。行政主導の芸術祭の多くが地域活性化や予算消化を主目的とし、回を重ねるごとに地域性の自己模倣に陥り、批評性を失う傾向が見られる。

2つ目は、街の「消滅」という現実である。四国中央市は一昨年、消滅可能性自治体に指定されており、2060年には人口が現在の半数を大きく下回ると予測されている。こうした課題は四国中央市固有のものではなく、全国の多くの小規模自治体が共有する慢性的な問題として捉えられている。

スーパーのチラシをモチーフにしたキービジュアル

本年のキービジュアルは、従来の「美術展らしい」デザインから方針を転換。市民にとって日常的に目馴染みのある「1色刷りのスーパーのチラシ」をモチーフに採用している。芸術祭が町の風景の一部として自然に立ち上がることを意図したこの試みは、「町への身近さ」と「批評性」の両立を主題としている。

地域において、芸術や文化的体験がいまだ生活の中で十分に一般化していない現状を踏まえ、入口となるビジュアルが生活の外側の言語に寄りすぎないことの重要性が検討されている。

パフォーマンスと食を通じた多層的な体験

従来の展示中心から一歩進め、本開催ではパフォーマンスと食に関するプログラムが企画されている。3月14日(土)には、香川を拠点とする現代サーカスカンパニー「うきも -project-」によるオープニングパフォーマンスを実施。3月21日(土)には、愛媛を拠点の料理人ユニット「LOOP」による食のプログラムを予定しており、土地や食材、そこに関わる人の存在を大切にした体験が展開される。

また、クラウドファンディングが4月1日まで実施されており、参加作家への謝礼や会場設営費など、芸術祭運営全般に充てられる予定である。民間主導・有志による運営だからこそ、来場者や支援者とともに形づくる新しい運営のあり方が模索されている。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000178534.html