スマホで現代化『NORA』、老い描く『リア王』。東京芸術劇場2026年度古典2作上演決定


岡田利規新芸術監督就任で始まる、古典を現代に問い直す試み
東京芸術劇場は2026年度より岡田利規を芸術監督(舞台芸術部門)に迎えることが決定しました。新体制の下、古典作品を徹底的に現代に問い直す取り組みを継続的に進めます。2026年度は、イプセンの名作『人形の家』を現代化した『NORA』と、シェイクスピアの傑作悲劇『リア王』を相次いで上演することが発表されました。
スマホを通じた新しい物語『NORA』の魅力
『NORA』はロシア出身の若手演出家ティモフェイ・クリャービンの代表作です。1879年ノルウェーで初演されたイプセンの『人形の家』を、現代のスマートフォン中心の生活に移して大胆にアレンジします。父権的な家庭からの脱却と女性の自立を描いた先駆的な作品を、メッセンジャーやフェイスタイムなどのSNSでのテキストコミュニケーションを通じて表現します。登場人物たちが打つスマホの画面はリアルタイムで舞台上のスクリーンに映し出され、セリフの8割はSNSのやりとりで進行します。主人公ノラを演じるのは、2014年『小さいおうち』でベルリン国際映画祭最優秀女優賞を日本人歴代最年少で受賞した黒木華です。NHK大河ドラマ『光る君へ』で宮中という男性中心社会を生きた源倫子を演じた彼女による新たなノラは必見です。
超高齢化社会を映す『リア王』の深刻なテーマ
シェイクスピア四大悲劇の一つ『リア王』は、老境の王が権力も領土も娘たちの愛も全て失う過程を描きます。老い、世代交替、相続といった現代日本が抱える切実な課題を映し出すため、近年上演が相次いでいます。演出は『ハムレット』など高く評価されるシェイクスピア劇の手腕で知られる名匠森新太郎が担当します。念願のリア王役を演じるのは内野聖陽です。2017年に同劇場で『ハムレット』を演じた内野が、シェイクスピア四大悲劇の両極にある二大ヒーローを10年のうちに演じることになります。長女役の川上友里、次女役の内田慈、三女コーディリアと道化を清水くるみが二役で担当し、ベテランから若手まで個性豊かな実力派キャストが結集します。
古典を現代的問いとして機能させる岡田芸術監督の構想
岡田利規芸術監督は『NORA』について、わたしたちの内面を映し出すスマートフォンの画面という設定は、イプセンの古典を現代を生きる私たちのためのものとして用いる最良の例だと述べています。『リア王』については、徹底的にヴィヴィッドな現代的問いとして機能させるというコンセプトの下で古典を扱うこと、希望のなさに打ちひしがれた果てに残る問いを観客に突きつけるヒリヒリした舞台を目指していると語っています。
上演予定および詳細情報
『NORA』は2026年7月15日~26日、『リア王 -King Lear-』は9月21日~10月4日に、いずれも東京芸術劇場プレイハウスで上演されます。『NORA』の一般発売は2026年4月18日、『リア王』は7月からとなっています。問い合わせは東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296まで。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001008.000038211.html