Z世代を魅了する体験型ミステリ、泡坂妻夫「ヨギガンジー」シリーズが累計45万部突破


紙の本ならではの仕掛けが生む新たな魅力
「読書離れ」が指摘される現代において、異例の成功を遂げている作品がある。泡坂妻夫著「ヨギ ガンジー」シリーズが累計45万部を突破したのだ。約40年前に発売された『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』と、約30年前に発売された『生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術』(ともに新潮文庫刊)が、Z世代を中心とした購買層の増加により続々と重版されている。新たな読者を惹きつけるその理由は、デジタルコンテンツでは実現不可能な、紙の本ならではの「仕掛け」にあった。
マジシャンの著者が仕掛けた驚愕のトリック
直木賞受賞作家の泡坂妻夫さん(1933-2009)は、マジシャンとしても著名で、創作奇術で石田天海賞を受賞した経歴の持ち主である。今年で作家デビュー50周年を迎える著者が手掛ける「ヨギ ガンジー」シリーズは、紙の本ならではのトリックが満載されている。
『生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術』は、書籍が袋とじになっているという珍しい仕様となっている。まず袋とじを破らずに25ページ分の「消える短編小説」を読み進め、その後袋とじを開封することで、短編小説とは全く別の長編ミステリが姿を現すという、前代未聞の仕掛けが施されているのだ。1994年の刊行時から話題となったこの企画は、四半世紀の時を超えた現在、SNSを中心に「なんだ、この仕掛けは」「このトリック、誰かに言いたい!」と再び注目を集めている。
SNS世代に受け継がれる斬新さ
読む行為そのものをトリックへと昇華させた本書の斬新さは、刊行から四半世紀を経た今なお色褪せていない。むしろ、デジタルネイティブである10~20代の読者たちにとって、紙の本だからこそ成立する体験は新鮮な衝撃を与え続けている。電子書籍ではけっして味わえないこの物理的なトリックが、SNS世代の若い読者たちに新たな読書の喜びをもたらしているのだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002706.000047877.html