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新着情報

つくログ

タカハシヒロナリ
2024/12/04 22:16
来年の「すばる文学賞」の原稿、一日2000文字を目標に日々、書いています。あくまで目標で書けないときももちろんあります。働きながら書き続けるのは体力と忍耐力がいります。あと不安。最初は「結構面白いぞ」と思っていてもだんだん「…つまんなくないか？破綻してないか？」という不安との戦い。
島本貴広
2024/12/04 22:00
久々につくログにお邪魔したら#第36回どうぞ落選供養で投稿した作品が編集部さんにピックアップされ記事化しておりびっくりお褒めの言葉をいただき救われた気分です仕事に忙殺されており最近書けてないのですが2024年最後の月は絶対に書こうと思いましたときめき……どんなものを書きましょうか
齊藤　想
2024/12/04 21:31
第20回ちよだ文学賞の初稿を書く。 400字原稿用紙100枚を目指して、結局65枚止まり。募集要項の40×40だと20枚。ここから推敲すると、自分の場合は何割か伸びるので、たぶん24～25枚になるはず。制限枚数が10枚～30枚なので、分量的にはいい感じかなあ。分量はともかくとして、内容が……。まあ、チャレンジということで……。 https://koubo.jp/contest/249819
2ru
2024/12/04 21:29
エブリスタの「執着・独占」系のコンテストがあったので面白そうだなとやってみることに。プロット、立ててない...いきなりやっちゃった...
村山　健壱
2024/12/04 20:56
#第38回どうぞ落選供養今回もこちらにお世話になります。成仏、ヨ・ロ・シ・ク！（私、ベイスターズファンです）＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊「その要求を満たすには」（テーマ「サプライズ！」）＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　ジョッキを合わせ、生ビールを流し込んだ。味はいつも同じはずだが、残業を終えてから飲むビールとなれば旨さは格別だった。目の前にいるのが職場の人ではなく、大学時代からの友人であることが拍車をかけていただろう。「で、相談ってのは何だっけ？」　早速目の前に座る光嶋が尋ねて来た。俺が答える前に、俺の右側から佃が口を出す。「あれだろ。岩崎の彼女からの要求な」「ああ、そうか。岩崎君のカワイイ彼女ね。で、どうなの？」　光嶋の「どうなの？」は昔から相手にスルーさせない語気を持っていた。つまり俺はまだ生ビールを飲み干す前から今回の相談を始めなければならなくなったのだ。「うん、今度の誕生日にはサプライズを、っていう」　少しためらいながら答えた俺を見下したように光嶋が続けた。「あの面倒な要求な？　女ってなんなんだろうな」　光嶋は声が大きい。隣のブロックにいる女性客に聞こえてしまうのは気まずかった。学生時代からこの光嶋は恋多き男だった。こういう話にはもう飽き飽きしているのだろうと俺は想像した。だからこそ今日の相談相手に光嶋を選んだのだ。「だいたいさ、サプライズってお願いしてくる時点で違うよな？」　今度の声は佃だった。佃は学生時代の彼女と卒業してすぐに結婚していた。もうその彼女も妊娠していた。そういう安定した立場からの意見も必要だと思い、佃にも来てもらったのだった。「だよね？　期待していないからこそのサプライズなのに」　俺がそう呼応すると光嶋が笑いながら言葉を続けた。「サプライズっていう単語が独り歩きしている訳だな。そう言えば学生ん時も、一年の春に誕生会なんかやってもらえて凄い嬉しかったけど、秋くらいが誕生日だと、いつ部屋に来るんだろう？　ってむしろビビッてたりな」　冬生まれの俺は、誕生日当日夜の十一時三十分になっても誰一人部屋にやって来ず、俺だけが誕生日を祝ってもらえないのだろうか、と不安になったことを思い出した。あの時は二十三時五十五分に光嶋や佃がクラッカーを鳴らしながら部屋に入って来たのだった。「そんなこともあったなあ」　懐かしそうに目を細める光嶋と佃を見ていると、たった五年前のことなのに、随分と年をとったんだなあ、と感じてしまった。二杯目のビールが少し胃にしみて来た。「で、本題な」光嶋が鶏の唐揚げを頬張りながら話題を修正してきた。「確か岩崎は付き合ってまだ二か月くらいだよな」頷く俺を見て、光嶋が続けた。「ということは、そのサプライズがプロポーズだと早すぎる」　その単語に目を丸くした俺を見て、佃が爆笑し始めた。「全く考えてないって表情だな、岩崎。まあ仕方ないけど、タイミングによってはそういう意味だぜ、彼女のいうサプライズ」　今は誰とも付き合っていないはずの光嶋がしたり顔で頷くのを見て、何となく腹が立ったが、こちらはアドバイスをもらう立場だ。そう思って気持ちを抑えた。「そうするとやっぱりプレゼントか。職場の先輩だったよな？」再び光嶋に聞かれた。「ああ、二年先輩で、俺は一浪だから歳は一つ下」「現役短大卒だな」　佃は落ち着いた声でそう言うと、自身の両手を叩いて大きな音を立てた。「そりゃあ決まりだ。彼女が喜びそうなディナー、ホテルステイ。勿論内緒で連れていく」　俺はその答えを聞いて肩を落とした。「どうした？」焼酎のために氷をグラスに落としながら光嶋が尋ねて来た。「いや、毎週のデートがそんな感じなんだ」俺がそう言うと、光嶋が「まさか、花束とか、アクセサリーとか、結構あげてる？」　俺は俯きながら頷いた。もともと親戚のおじさんが話していた若い頃の武勇伝を参考にしていた俺にとって、そのようなデートは標準的なものだった。薄くなる財布を犠牲にようやく彼女が振り向いてくれたのは紛れもない事実だった。すると光嶋がスマホの画面を俺の目の前に突き出した。「こんな感じで紹介されていることを、岩崎君は毎回やっている訳です」　画面には「彼女が喜ぶ誕生日のサプライズ」に関する記事が表示されていた。今までの会話をなぞるような内容の文字が並んでいた。「この上を行くとなると……」光嶋と佃が二人で話し始めたので、俺はフライドポテトを頬張って、ハイボールを煽った。グラスの氷が音を立て俺の口に入り込んで来たとき、佃が言った。「やっぱりあれだ、一年のやつ」「えっ？」「ほら、さっき言ってた話だよ」光嶋も後を続けた。「何もない振りをギリギリまで続けて、最後にドッカーンって」「そのドッカーンは何を？」一番大事なのはそこだろう。「別れようって言ってみてからの、嘘だよーんって、いつもより高いアクセサリーや花束だよ」　心理的なサプライズ効果は確かにあるが、リスクが大きいように一瞬感じた。しかし俺も酔っていた。それしかない、といつの間にか確信していた。　当日の夜を迎えた。海を見下ろすレストランでワインを楽しみ、ステーキに舌鼓を打った。ここでプレゼントか？　と彼女が期待するはずのタイミングで、俺は遂に実行した。「なあ、ごめん。今日で終わりにしよう」　彼女は驚いた表情でこちらを見た。悲しみも、怒りも内包しているようだった。しばしの沈黙を経て、用意していた次の台詞を言おうとしたその時だった。「本当にやったのね？　私、あの日、隣の席で聞いていたのよ」【了】

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