プレスリリース | 公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

記事を読む

プレスリリース

本コーナーに掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。弊社が、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。本コーナーに掲載しているプレスリリースに関するお問い合わせは、株式会社PR TIMESまで直接ご連絡ください。

新着情報

つくログ

村山　健壱
2025/08/03 16:28
#第46回どうそ落選供養今回、多くのつくログメンバーさんのお名前を拝見して嬉しいやら尊敬やら、そして不甲斐ないなら…… しかし、めげずに僕は続けます。宜しくお願いいたします。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊「六十の壁」村山健壱テーマ「試験」＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　キュッ、キュッ、キュッ。　赤ペンが作りだす艶やかな音が止んだ。紙の束をまとめ、表計算ソフトに点数を打ち込んでから、鈴木は最後の一束を封筒から取り出した。鈴木が担任を務める二年Ｄ組の答案だった。「よし、うちのクラス分でラストだ」　そう独り言ち鈴木は採点に取り掛かった。しかし今までのクラスとは勝手が違った。赤ペンは先ほどまでと違い、ピシッと音を立てることが多くなった。これは不正解の時に答案に記すペケマークが作る音だ。正解のマルならば先ほどまでのクラスと同じくキュッと気持ちの良い音が出るのだ。はあ、とため息をつきながら、一人目の点数を書き込んだ。「なかなか厳しいかな、今回も」　手を休めている暇はないので、次、その次と採点を続けた。だんだんとピシッという音が強くなっていくのが分かった。どうしても、ペンを握る手にも力が入ってしまうのだった。　鈴木が勤める私立秀桜高校は県内でまずまずの進学校だ。トップ校に入れなかった子たちが三年後のリベンジを果たすべく勉学に励んでいる。そのため試験の成績順にクラス編成を行い、上からＡ、Ｂ、Ｃ、そして最後がＤ組だ。つまり今年度は一番下のクラス担任なのだった。これまでの学年でもＤ組で数学の授業を受け持ったことはあるが、担任は初めてだった。進学校と言っても秀桜高校は私立なので、いくつかのクラブは強化指定にされている。入学時はＡ組にもこうしたクラブの子たちがいるのだが、一年時の学年末試験で概ね下のクラスになってしまう。　二学期の中間試験は五十八点、期末試験は五十七点。これが二年Ｄ組の数学の平均点だった。秀桜高校では、中間・期末のような定期試験と授業とは大いに関連があるとされる。授業でやった内容が試験に出題されるし、試験に出すものこそ授業で取り上げる。当たり前のようではあるが、それを徹底することで確かな学力が身に付くと考えられているのだ。それを数字で表すのが試験の平均点だ。クラスの半分が六十点を超えるような問題を出さなければならない。そういう授業をして、結果をそこに持っていくことが各教師に課された目標となっている。それは強化指定クラブの生徒が多いＤ組も容赦されていない。つまり二学期の点数は、そこに届いていなかったのだ。「やばいなあ。今度の査定、下がるなあ」　採点を続けながら鈴木は焦っていた。三回連続で平均が六十点未満となれば、学校からの評価は間違いなく悪くなる。来年度に結婚をするつもりの鈴木にとって収入の減少は痛手だった。三年生でＣ組以上に上がることのできる生徒が少なくなることも、当然心が痛んだ。Ａ組は大学入試を学力試験で突破していくのだろうが、Ｂ組以下は推薦狙いが多い。推薦に使われる評定はＢ組にいる方が当然高くなるので、ここでクラスを上げておくのは生徒にとっても重要なことだった。自分は生徒たちにとって理解しがたい授業をしていたのか。試験問題が難しすぎたのか。あるいはその両方だったのか。鈴木は赤ペンをギュッと握りしめた。　数学では問題を解く過程を重視したい。だから説明や証明をさせる問題を出したい。これは鈴木に限らず多くの数学教師が思っていることだろう。しかもそうした出題をすると採点の際に部分点を与えることができる。したがって試験の平均点はむしろ上がることが多い。更には大学入試のみならず、社会に出てからも必要な説明をするという力をつける練習になるのだ。鈴木はＤ組の生徒たちにそう呼びかけていたが、彼らはその提案を拒否したのだった。結果として一部を除いて解答のみを書くような試験問題になった。それがやはりいけなかったのだろうか。来年度もしチャンスがあれば説明・証明問題を増やそうと鈴木は誓った。もちろん授業中、そうした問題に触れるような機会も増やさなければいけない。Ｄ組の子たちに興味を持ってもらうにはどうするか。春休みにじっくり検討しようと思った。　採点を進めていくと五つある大問のうち、問二と問三はキュッときれいな音を響かせることが多いような気がした。これは二学期の試験範囲だった指数・対数、三角関数の問題だ。学年末なので今までの範囲も出題範囲に含まれていたのだった。あいつらちゃんと復習したのだな。鈴木はそう思って少し安心し、感心もした。そして何だか嬉しい気にもなってきた。　最後の答案用紙に六十二点と点数を書き込んで、いよいよ二年Ｄ組の点数を表計算ソフトに打ち込んでいった。隣の列に平均点が表示されるよう数式が設定してあり、入力する度に平均点が変化していった。「うわあ、際どいかな」　あと三人の入力を残した時点で平均点は五十九・七だった。二学期期末の平均点は上回りそうなのでそこは安堵しつつも六十点の壁こそが査定の対象なのであった。途中の数字は見ないようにして、鈴木は三人分の点数をまとめて打ち込んだ。「えっと、最後の渡辺が六十二点と。そして……」　鈴木はゆっくりと隣の数字に目をやった。そこには五十九・九と記されていた。【了】
メリッサ
2025/08/03 14:55
海音寺潮五郎の銀杏文芸賞に応募しました。大好きな珈琲のことを書きました。思いが届くといいなあと思います❣❣
セアカトカゲ
2025/08/03 12:59
TOTOのトイレ川柳二首ひねりました。採用されたらいいな
タカハシヒロナリ
2025/08/03 10:52
遅くなりましたが、みなさまのお祝いコメント、ありがとうございます。最近はめっきりつくログもお留守にしていたにもかかわらず、コメントいただけ嬉しいです。またつくログでお見かけするお名前が受賞していて、そちらも嬉しく思いました。やっと「小どぞ」の呪縛から解かれました…笑
齊藤　想
2025/08/03 09:30
第50回小説でもどうぞ「まちがい」の第１作と第２作を書く。第１作は1750字前後しかない。これでも初稿の1350字からは延ばしたのですが。もうワンアイデア必要な感じです。第２作はオチが２パターンあって、掌編として綺麗なパターンで書いてみる。 1850字前後。ただ考えれば考えるほど辻褄が合わないので、残り150文字でクリアーできるかどうか。説明過多がは避けたいのですが。第３案は何にも思いつきません。どうしましょう。福島正実SF童話の推敲を始める。１日１シーンのペース。１シーン推敲することに１枚増える。このペースだと、推敲完了時には制限枚数60枚ぴったりになる見込み。読み返せば読み返すほど、明らかにカテゴリ違いなので、参加することに意義がある状態ですが(汗)

公募を主催される皆さまへ

会員限定サービスのご案内

無料会員登録はこちら