夫が薔薇の花束を贈ってくれた。豊かな香りを纏う真紅の薔薇だった。花は儚いからこそ美しいけれど、今は散ってしまうのが惜しい。何枚も写真を撮り、押し花まで作る私を、夫は「頑張るねえ」と笑った。けれどちっとも怒る気はしない。花屋なんて行ったこともない彼が、勇気を出して選んだそうだから。