

猫田しろ
テーマ詠「ファッション」
- 柴田葵のコメント

結婚相手が実家に挨拶にくる日。作中の主体は、前もって「結婚の挨拶にくるんだよ(だから、きちんと対応してね、よろしくね)」と父に言っていたようです。おそらくスーツやジャケットなど、かしこまった服装を期待していたのでしょう。それにも関わらず父は「少しきれいな作業着」を着ていた、という短歌です。 この作中主体も怒っているわけではなさそうです。それは、いつもより「少しきれいな作業着」だと気づいている部分から読み取れます。 おそらくお父さんも悩んだのでしょう。スーツを着るべきか何を着るべきか……。その結果、選んだのは「少しきれいな作業着」。このお父さんは普段、作業着姿でお仕事をされているようです。仕事に励み、お金を稼いで、わが子を育てあげた自負。そして、わが子のパートナーにはありのままの様子を見てもらおうという正直な気持ち。一方で、きれいな作業着を選ぶ敬意の表れ。 お父さんの真面目で誠実な心が「ファッション」を通じてひしひしと伝わってきました。
このコンテストの結果発表
