変化する作品
例年とは違う年末年始となりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。
このような状況だからこそ、少しでも楽しく公募ができたらいいなと思っています。
最近、私が特に楽しんでいるジャンルは短歌です。
短歌に関するテレビ番組を見たり、皆さんの作品を読むのが面白い。
そういうわけで、近頃よく自分でも投稿していたのですが、第七回郡上市文芸祭で入選することができました。
ありがたいことに、最高賞である宗祇常縁賞をいただけたのです!
入選した作品がこちら
「おとなしいあなたが今日は鍵盤の黒だけ使う曲を弾いてる」
これは読む人によって、受け取り方に違いが出る作品になるのではないかと思い作りました。
今回の入選作品集の講評にも「どう取るかによって鑑賞が分かれる作品」と書いていただけたのが嬉しかったです。
以前、川柳作家のやすみりえ先生のインタビューで「作品はさまざまな解釈をしていただいていいと思っている」という言葉が印象に残っていますが、私も深く共感しています。
なぜ今日のあなたは、普段のあなたらしくないことをしているのか。
また、黒い鍵盤で奏でられる曲が、速いのか遅いのか、ダイナミックなのか繊細なのか、明るいのか不協和音なのか。
黒い鍵盤といえば、思い浮かぶ曲がある方もいらっしゃると思いますが、曲名を限定せずに、読んだ方の想像力で変化する作品になれば楽しいなと思ったのです。
題材は自由だったので私としては、いつも見ている人にしか気づかない程度の、その人の「ささやかな非日常」をテーマにしたつもりです。
このような音楽関連の作品でいくつか入選でき、それが私のスタイルのひとつとして確立していけたらいいなと感じました。
今年も始まったばかりですが、また挑戦と模索の日々が続きそうです。
公募に関わる皆さんは、すべて同士と勝手に思い、励まされつつ頑張っています。
大変なことは多いですが、この時代を乗り越えましょう。
今年も何卒よろしくお願いいたします。