「小説の取扱説明書」~その43 小説は、読まないと書けないか~
公募ガイドのキャラクター・ヨルモが小説の書き方やコツをアドバイスします。ショートショートから長編小説まで、小説の執筆に必要な情報が満載の連載企画です。
第43回のテーマは、「小説は、読まないと書けないか」です。
「読まなくちゃダメ」が7割
公募ガイドで、「小説を書くなら、小説を読め!ってよく聞くけど、読まなくちゃダメ?」というアンケートをとったところ、63.9%の人が「読まなくちゃダメ」と回答しました。
インプットがなければアウトプットもありませんので、読んだことがなければ書けませんが、問題はどれくらい読まないといけないかですね。
「6000冊」と言う方もいますが、高校生でデビューする人もいますし、小学生で書いている子もいます。小学生では6000冊読んでいるとは思えませんから、読んだ本が6000冊以下でも小説は書けるということになります。
ここで再び同じ問いに戻ります。
じゃあ、最低限、何冊読めばいいんだよという話ですね。
人によりますが、100冊も読めば書けるのではないでしょうか。
ベストセラー作を書こうとか、小説家として死ぬまで活躍しようというのであれば6000冊は必要となるかもしれませんが、手ずさみにちょっと書いてみようというぐらいであれば、そんなに難しい話ではないですね。
四の五の言わずに書け!
「小説を読まなければ小説は書けない」という言葉は正しい。
しかし、だからといって、書いてはだめということはありません。
「いささか準備不足ですが、もう書いてしまった」というのでいいのですね。筆力は書けば書くほど上がりますので、たくさん書いて、たくさん失敗して、たくさん悩んで、たくさん試行錯誤する。それでいいんです。
準備ばかりしていても上達しません。
未完の大作はいつまで経っても未完ですし、経験値も上がりません。
それだったら、たとえ凡作であっても、完結させた経験を持つほうが実りは大きい。
言いたいことはわかります。書けない人は書かないのではなく、「書きたいんだけど、何を書いていいかわからないし、書いても書き上がらない」んですよね。
「何を書くか」は、なんでもかまいません。これまでの人生の中で、もっともつらい体験でもいいです。そんなのエッセイじゃないかと思うかもしれませんが、それでかまいません。エッセイも小説も、そう変わるものでもないですから。
「書き上がらない」に関しては、書き上がる枚数にするしかありません。
1枚も書けないなら、17字でもかまいません。そんなの俳句じゃないかと思うかもしれませんが、小説と俳句の厳格な区別なんてないんですから、なんだっていいんです。
要は、四の五の言わずに書けってことですね。
(ヨルモ)
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ヨルモって何者?
公募ガイドのキャラクターの黒ヤギくん。公募に応募していることを内緒にしている隠れ公募ファン。幼馴染に白ヤギのヒルモくんがいます。「小説の取扱書」を執筆しているのは、ヨルモのお父さんの先代ヨルモ。