せきしろの自由律俳句 第38回「土」結果発表
第38回 課題:土
せきしろの一句
最優秀賞
軽トラの荷台に労働の痕跡
(広島県 清音 39歳)
優秀賞
授業中にこっそり払う
(兵庫県 雪月茂 13歳)
五本の指の隙間から土
(大阪府 まちこまち 15歳)
佳作
鍬入れて土の眠り覚ます
(東京都 野村信廣 76歳)
土の大袋がベランダで風化している
(大阪府 ピーチメルバ 64歳)
案の定折れた自然箸
(大阪府 石川聡 38歳)
土壁をなぞる
(和歌山県 れもりあっと 22歳)
かわいた土がひざから落ちる
(北海道 吉村侑太 34歳)
靴跡が蟻のアスレチックのようだ
(埼玉県 カズタカ 44歳)
コートを作る線を引く
(群馬県 伊藤どらやき 46歳)
土が我が子のアリバイを崩す
(千葉県 ピッコリーノ 42歳)
汗拭きシートと土の匂い
(東京都 島田浩輔 32歳)
足跡の中を覗く鳥
(京都府 NCハマー 43歳)
猫を撫でるように触る
(福岡県 いくのかおる 37歳)
小さい靴の中から冒険の名残り
(神奈川県 Akiki 54歳)
土埃にまみれて春に気がつく
(北海道 エリンギ 32歳)
雑草が占領した分譲地
(神奈川県 笹本耕治 69歳)
カレーの匂いとシンクの土
(秋田県 紀野珍 44歳)
タイムカプセルは埋められたまま
(大阪府 河野泰子 33歳)
ここで誰かが待たされていたのだろう
(山口県 小林抹茶 33歳)
言いたいこと言えず畑に向かう足
(岡山県 にった 54歳)
断面を見られても蟻は平気
(長崎県 公気正 45歳)
なにかの墓だろう
(兵庫県 瀬也稔 57歳)
1970年北海道生まれ。俳人、コラムニスト。芥川賞作家でお笑いタレントの又吉直樹との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』のほか、『たとえる技術』などの著書がある。
イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト
自由律俳句は、定型(五七五)ではない俳句です。定型ではありませんが、どこかリズム(律)のある句を募集します。句読点は使わず、俳句らしい味わいを意識して、心にしみるような情景、共感できるような情景を切り取ってください。俳句のもとは俳諧ですから、滑稽味があってかまいません。しかし、笑いだけではなく、しみじみ、ペーソス、人間くさいといった句を期待しています。
- 応募規定
- 定型(五七五)でない自由律の俳句。
面白コピーの募集ではなく、定型ではない無季俳句。
- 応募上のご注意
- ・ペンネームを使わない方は、応募フォームのペンネームの欄に本名をお書きください。
・応募フォームの「年齢」の欄は必ずお書きください。
・応募点数に制限はありませんが、1応募につき1作品とします。
- 応募規定
- 作品は未発表作品とし、採用作品の著作権は公募ガイド社に帰属。
応募者に弊社から公募に関する情報をお知らせする場合があります。
- 賞
- 最優秀賞1点=5000円(商品券)
優秀賞2点=2000円(商品券)
佳作10点=記念品
- 公募ポイント
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応募者全員=5pt追加
【最優秀賞】 さらに50pt追加
【優秀賞】 さらに30pt追加
【佳作】 さらに10pt追加
※応募者全員ポイントの付与は各回ひとり1回までです。
※ポイント付与は結果発表の時期に行われます。
- 募集中のお題
第40回「怒り」応募期間 4月25日~5月20日募集は締め切りました第41回「夏」
応募期間 5月25日~6月20日
- 発表
- 第40回 7月9日 WEB上
第41回 8月9日 WEB上