湊かなえ作品　おすすめの1冊大募集

2018/11/12

タグ: 作文・エッセイ

つくログ

齊藤　想
2025/03/01 12:50
第44回小説でもどうぞ「習慣」を３作応募する。ひとつ実験作が混じっているので、すでに落選供養にUP状態です（汗）第45回小説でもどうぞ「隣人」の第１作を書く。いい話系統にしたかったけど、ラストシーンがかなりグタグタです。もうちょっと考えないと。うーん。明日は第２作を書きたいけど、なんにもアイデアがありません。はい。 https://koubo.jp/article/36400
ぎりぎりなつみかん
2025/03/01 10:47
#第41回どうぞ落選供養「散らない桜」私のクラスの男子が悪ふざけをするみたいなノリをよくしているのだがそのノリは私はあまり得意ではない。幸運なことに直接話しかけてこないのが救いと言える。だからといって女子の方が良い訳でも無く、陰口やゴシップも好きではない。得てして彼らは発言力が大きくて欠点が見えにくく、閉塞空間は声が大きい人の影響力が大きい場所だと思う。要するに私はクラスで浮いているのだ。だが浮いている人というのは必ず数人はいるもので、その点で私は疎外感を感じてはいない。悪ノリをする男子グループの中で一際目立っている人物がいる。高橋圭悟。背が周りより高くて好奇心旺盛なお調子者。ペースを乱されるから典型的な私が苦手なタイプだ。学期が変わるのに伴って係を新しく決めることになった。半年このクラスで過ごしてきて学級委員に適した人物は限られることが分かっていた。だから女子枠は大方私がやるのかもしれないという覚悟めいた諦めのようなものは持っていた。いつも騒いでいる女子が丁寧にお願いしてくる。「しっかりしてるから適任だと思うんだけど、どうかな」学級委員なんて正直誰が務めても同じだと思うのに、いつもふざけてるからって勝手に他を取り仕切る位置には立てないと思ってるんだろう。そんなの私だってそうなのだが、周りと分け隔てなく接することができる人こそがその役割を担うべきであり私は適格じゃない、なんて言ったら面倒臭いからすんなりとこの役割を受け入れる。「ほら女子の方はもう決まったぞー。女子は優秀だなあ」先生の言葉で男子の方がまだ決まっていないことを知る。急に実感させられてきた。もし苦手な男子と一緒になったら。億劫な仕事がより億劫になりそうで恐怖が芽生えてきた。どうか話しやすい人でありますように。そんな願いも虚しく男子の方は高橋圭悟が立候補して決まった。この後の係決めは二人の初仕事となる。高橋がこちらに軽く確認を取ってから仕切り始めた。特段私が仕切ることも無く係決めが終わった。帰りの挨拶を済ませて帰路につこうとしたところだった。「ごめんちょっと強引だったよね」うん？唐突な謝罪に頭が追いつかない。呆然とした顔をしていると高橋が続ける。「係決めの時。俺らで話し合うより一人が突っ走った方が楽だと思ったから」「あぁ。全然気にしてない。それよりこんな積極的にやってくれるんだって思ったくらいだから」刹那の沈黙。高橋が後頭部をかきながら苦笑いする。「そうだよなあ。俺もそう思う。でもやるからには真剣にやりたいと思ってる。迷惑かけるかもしれないけどこれからよろしくね」彼の言葉を聞いて思ってた人と違うのかもしれないと思い直す。むしろ彼のことを見下すように見ていたのは私だ。傲慢だったのは私だ。それに気づいた時急に申し訳なさから彼の顔を見るのが恥ずかしく感じ、憚られた。翌日から他の子と話す時の様子を知りたくて横目で観察した。そして友達に優しくする所を見た。彼が今日から劇的に態度を変えた訳では無いだろう。私が単に見ていなかっただけ。私ってこんなに視野が狭かったんだ。今まで自分勝手な人だと思ってたのがそうじゃないと分かったことは彼のことをより知りたいと思わせるのには十分だった。二人の学級委員としての仕事が板に付き始めてきた頃、私は彼がどうしてこの仕事をやる気になったのか今更ながらに興味が湧いてきた。放課後教室に残って彼が案を出しながら私が学級日誌を書いている時、彼にさりげなくきいた。「今更だけど、どうして学級委員をやろうと思ったの？」それを聞いて少し考える素振りを見せてから彼がいたずらっぽく言った。「先に女子が決まったからかな」何気なくした質問だったが意図せぬ答えが返ってきて動揺する私。女子が決まったからということは私になったからということ？私とやりたかったの？たった一つの返答で思考をかき乱される。「ごめん冗談冗談。なんか立候補しないと決まらなそうだったからつい」冗談だったことにつかの間の理性を取り戻す。「最後はじゃんけんとかで決まるんじゃないのかな」「多分そうなんだけどさ、俺は押し付けられてやる位なら自分から立候補したいのね」私はその言葉に納得した。だから立候補したのか、損な性格してるなあ。彼の行動原理が分かった直後だった。彼が横顔を夕日に照らしながら言う。「学級委員なんて結局誰がやっても一緒だと思ってるから」私と同じ考えだ。その瞬間心の奥で体温とは別の何かが熱を持った感覚があった。この気持ちの見当は付く。まだ自分の中で気持ちが確定していないが浮き立つ心は思慮を浅くさせる。もう告白してしまおうか、そう思った矢先だった。校庭から彼の名前を呼ぶ女子達の声。二階の窓からそれに気だるそうに応える彼。彼が振り返って謝罪した時私はいくらか冷静になっていた。彼にとって私は迷惑な存在になるだろう。今のままの距離感がいい。だから告白はしない。そう心に決めた。学級日誌片手に二人で夕暮れの廊下を歩いた。人生で一番長い廊下だった。
齊藤　想
2025/03/01 10:01
第41回小説でもどうぞ「ときめき」で佳作に選んでいただきました。ありがとうございます。今月の応募も頑張ります。 https://koubo.jp/article/36400 #つくログ受賞報告
蜂賀三月
2025/03/01 09:20
#週5公募チャレンジ昨日、ゴルフをする友人と話していてゴルフ川柳がぱっと閃きました！「明日はゴルフがテーマの川柳に応募しよう！」と朝起きてすぐに575に整えました。応募先をどこにしようか迷っていて、記憶では2個ぐらいゴルフをテーマにした公募があったよなぁ……と考えていたんです。大型川柳公募の「ホームメイト川柳」と「第5回おかやまゴルフ川柳コンクール」がありました。どうせなら賞金が高いのにしようと思って「ホームメイト川柳」の方に応募したのですが……応募してから気付きました。第15回の締切は、2月末まで！💦 https://koubo.jp/contest/247614 今日からは第16回の応募に切り替わっており、結果発表は2026年6月頃……先が長すぎる(笑)応募できたことには変わらないので、キリン以上に首を長くして結果を待つことにします🦒
ハチャメチャ陽心
2025/03/01 05:53
齊藤さん「子熊のぬいぐるみのベアリ」『小説でもどうぞ』佳作おめでとうございます。童話の世界で、テディベアがモデルでしょうか。感想に落選供養を並べるのは大変失礼ですが。 #第41回どうぞ落選供養トキメキロボット　新紙幣にＧＰＳ機能が付いた。現金の流れを財務省が管理し易い目的だったらしい。強盗はターゲット宅を見つけ易くなったが、逆に捕まり易くなった。　やがて、キャッシュレスと仮想通貨が万遍なく行き渡り、紙幣や貨幣の発行は記念切手同様に収集家に趣味として受け入れられた。　指紋、静脈、虹彩、声、顔といった生体認証機能が進歩し、監視防犯カメラ映像から本人識別が容易になった。　高額商品の分割払いには、欲求度を示すトキメキが必要だった。トキメキ限度額は預貯金、財産、年収に応じて違った。そしてトキメキ詐欺が出没するようになった。「これこそ、我が研究所の開発した、トキメキ詐欺見破りＡＩ搭載のＧロボです」セキュリティ展示会場の小ぶりなブースで大声を張り上げる貧相な男がいた。来場客が通路で立ち止まるのは、身体の線が露わなスーツのコンパニオンからノベルティを受け取るためだった。二人は親子だが、娘は父親似と言われるのが死の宣告を受けるほど嫌だった。　娘の運転する軽自動車で帰宅の途についた。今どき珍しい自動運転でないマニュアル車の後部座席では、偽装ロボットの頭部だけ外した祖父がイビキをかいていた。「昔観たロボジーという映画にヒントを得て、査察Ｇメンの語呂合わせでＧロボを思いついたんだ」助手席の父が得意気に語る。「それってパクり。そもそもＡＩ搭載なんて詐欺じゃね」咥えタバコで運転する娘は、ドアに付いたハンドルをクルクル回して下ろしたウィンドウから煙を吐き出した。「ＥＶステーションはいくつか通り過ぎたけど、ガソリン給油所が見当たらねえよ！」「博物館あたりにあるかもよ」「マジ、バカオヤジ。だいたい、なに研究してんだよ」「Ｇロボのプロトタイプが展示会に間に合わなくて、爺ロボを代わりに立てたんだよね」　ガス欠になる前に家に到着した。娘は「満タンでお願いします」と言って、車内に老人をほったらかしにして行ってしまった。父親の方はスタンドに立てかけられたロボットに接続されたコンピュータ端末のキー操作を始めた。加工機械の並んだ薄暗いガレージ内で、ディスプレイモニターの反射光が疲れた顔を浮き立たせた。　表の看板には「ジャッキー精密機器製作所」に「兼最先端技術研究所」と書き足されていた。　数日後、新規顧客が訪ねて来た。展示会に来場してパンフレットを持ち帰り、興味を持ったという。「お恥ずかしい話、マッチングアプリで知り合った相手が胡散臭いんです。詐欺まがいの気がしてきて、お宅様のロボットに真相を見破って頂きたいのですが」「そういった要件ですと、設計仕様に合わなくなってしまい……」「いいじゃねえかオヤジじゃなかった所長、お役に立てて頂きましょうよ」「いやでもだな……」「まずはこのレンタル契約書に御署名下さい」娘は父の制止を押し切って交渉を進めてしまった。　「変なロボットをデートに連れて来るなんて、なんのつもり？」札束を繋ぎ合わせたコートをレセプションフロントに預けてテーブルに着くなり、女は怒りを露わにした。全身をブランド品で飾り立てた、見るからに金の掛かりそうな女だった。「最新のアシスタントロボで秘書代わりなんだよ」彼は上場企業の社長だが、腰の低い初老の独身男だった。「早速だけど、私の紹介した優良物件への投資の話はどうなったの？」　男の隣に座ったロボットの目がトキメキモードの赤色点滅し出した。　食事を済ませるとレストランから出て来て、通過するタクシーに手を挙げていた。「アムロ、行きまーす！」待機していた車の後部座席で爺ロボが怒鳴った。「お爺ちゃん、被ったロボットの頭で反響してうるさいから黙ってて」　タクシーが乗客を降ろしたラブホテル前で見張った。表に置き去りにされたＧロボを回収する。「あっもう出て来たわ。早いわね」「真昼間から羨ましいのお。天にも昇る気分じゃったろう」　チェックアウトで支払いする男を待たずに、女一人が送迎車に乗り込んで発車した。「ＧＰＳ信号をカーナビで追うから、黙っててよ」　Ｇロボの方がサイレン音を鳴らし出した。隣席の爺ロボが慌てて口を塞ぐ。レストランのフロントスタッフはロボット開発した父が変装していたので、女が身に付けたコートの発するＧＰＳ信号は検出済みだった。　下車した女が入っていった建物に「マザーテレサテン」と看板表示がある。「えっ？　どういう展開なの」　父親から娘のスマホにメッセージが入る。顧客の裏の顔は悪徳企業社長だったという。「今、奴の会社に脱税の疑いで国税局の査察が入った。Ｇロボが反応したのは社長の方だったようだ」相手の女は運営する老人介護施設への投資を迫っていたらしい。「彼女の裏の顔はマルサ？　ハニートラップを仕掛けたのね。まあ、どっちもどっちだけど」（了）