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漢字タイポの受賞作が、渋谷のFabCafeで展示中!

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「漢字」を使った「地名」のタイポグラフィ、233名のクリエイターから499点の応募が集まりました。日本からは大日本タイポ組合、台湾からは葉忠宜氏が審査員としてそれぞれ受賞作品を選出。選ばれた10作品を、審査員の講評とともに掲載させていただきます。

 

なお、受賞した10作品はFabCafe Tokyo(東京・渋谷)内で展示が行われています。作品はパネルのほか、Tシャツやトートバックなど、まるでその土地のお土産のようなグッズで展示を行います。アジアのクリエイターたちが競った漢字のクリエイティブを、ぜひ見に行ってみてはいかがですか?

 

日程:2017年1月14日(土)〜1月20日(金)

場所:FabCafe Tokyo 店内  ( Access http://fabcafe.com/tokyo/access/ )

時間:カフェ営業時間に準じます

入場料:無料

詳細情報: http://fabcafe.com/tokyo/events/chimei-sekkei

 

 

草津

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by kwkm_

受賞者からのコメント:

この作品は、慌ただしい年末に少々疲れてしまった私の「草津の温泉に入って癒されたいな〜」という願望を表現した作品です。草津に行ったら作中のように雪降る中、温泉に浸かり先客のお猿さんと一杯ひっかけたいです。

 

審査員からのコメント (大日本タイポ組合):

温泉に積もる雪をイメージした「草津」の文字。要素を整理しながら必要な線だけをうまいこと残し、柔らかい形状の文字に仕上がっています。

背景の要素も少ない雪とほんのりと浮かぶ煙だけの必要最小限に絞っているところもいいですね。

温泉でのんびりと温まっているお猿さんが可愛いくて一緒に温泉に入りたい気分にさせてくれます。

強いて言うとすれば、メインの文字がセンターに入りすぎているのと、温泉ならではの自然なバランスで文字を崩してみても面白いかもしれません。

 

澁谷

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by miltz

受賞者からのコメント:

受賞ありがとうございます。

大変嬉しいのですが、澁谷と読めたのでしょうか…ん〜、読めないですよね…。普段は漢字のフォルムを残したまま、文字としては認識できない絵と文字の中間のようなグラフィックを描いています。

意味を失った漢字だった線から伝わる感字としてご覧ください。

 

審査員からのコメント (大日本タイポ組合):

骨のような、煙のような不思議なエレメントで出来た「澁谷」の文字が雑然とした人ごみや、街の裏側に潜んでいる何か危険な雰囲気をイメージさせてくれます。尖っている棘のようなエッジの部分も危ない街を想像させ、実に「澁谷」とマッチしているのではないでしょうか。

行き交う雲のようなものが文字の手前や奥に出入りしていて平面的な要素なのに立体感を出すのに役に立ってますね。

サーモンピンクの配色が激しい文字と対比され優しく落ち着かせてくれます。

 

六本木

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by harunashimizu

受賞者からのコメント:

この度は選んで頂きありがとうございます。とても嬉しいです。

六本木には昼夜とも行ったことがありますが、夜の素敵できらびやかな、大人な街という印象がとても強いです。今回はそんな大人なイメージを夜の六本木の街で、仕事帰りの女性が少し酔って火照っているような表情を文字で表現してみたいと思い、制作しました。文字で、表情や感情といった形にしづらいものを表現できるというたのしさ、おもしろさに気づきました。これからも色々な表現を模索していきたいと思います。

本当に、ありがとうございます。

 

審査員からのコメント (大日本タイポ組合):

夜の六本木のイメージが、シンプルな線と、グレイッシュな中にわずかに映えるピンクを使って上品に仕上がっています。すこし斜体をかけて、なおかつすこし斜めに配置しているところも心地良いです。二重になっている線は、唇のイメージなのかな?とすると「六」の上の点の部分は睫毛だろうか、などと想像してしまいます。

「本」「木」それぞれの左はらいと右はらいが、真ん中の棒に対して等間隔じゃなく、右のほうが広くなっているのは視覚的な調整の結果でしょうか。だとしたら「本」のほうは、真ん中の小さな横棒があるぶん「木」よりも広めにするなど、細かい気遣いをするとさらに良いものになるでしょう。

 

京都

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by Gi

受賞者からのコメント:

この度は作品を選出していただきありがとうございます。

いち京都人として「京都」という地域の持つ雰囲気をどう表せばよいかと考えた時、モチーフとして思い浮かんだのが枯山水でした。京都の持つ繊細な美しさ、奥ゆかしさを感じていただけたら嬉しいです。

 

審査員からのコメント (葉忠宜):

枯山水の要素を利用して京都の二文字を巧妙に描き出し、京都が与える印象の表現に成功しています。「京」と「都」の二文字が織りなす紋様は伝統の「結」を連想させますね。

 

雷門

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by Naldo Wong

受賞者からのコメント:

「雷門」という作品は、実は自分の漢字デザインの練習、実験作品の1つにすぎません。地名設計のコンテストに出会えるとは思いませんでしたし、更に優秀作品として選ばれたことも予想もしていませんでした。ロフトワークに感謝します。審査員に感謝します!これから、様々な舞台でより多くの漢字タイポグラフィの作品や応用に出会えることがすごく楽しみです!

 

審査員からのコメント (葉忠宜):

「雷門」2文字を、円形の中に完璧に配置しています。今回、牡丹文字がベースになっていますが、とてもシンプルな線で構成出来ていて、対象的且つ平均分割の概念を使い、非常に高いレベルの空間バランスに達しています。とても素晴らしい作品です。

 

江戸川

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by 照井正邦

受賞者からのコメント:

選んで頂いて光栄です。東京都江戸川区の河川を、水色のグラデーションで表現しました。

審査員からのコメント (葉忠宜):

筆画の線を太さと厚みのある幾何学図形にして枠全体をいっぱいにしていながら、青のグラデーションを巧みに使ってそれぞれの筆画の区別を作り出し、「江戸川」の流れをうまく暗示しています。

 

高雄【たかお/カウシュン/Kaohsiung】

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by OH!Rickey

 

受賞者からのコメント:

この度受賞させていただき、ありがとうございました。

出身地である「高雄」は、檳榔屋台や夜市、ネオン看板が乱立している町です。日本に来る前は「ダサい」、「美しくない」など、散々貶しました。しかし、異国に来て生活してみたら、あのダサさが懐かしく感じ、画像を検索する度に元気をもらいました。こちらの作品は「檳榔屋台」でよく使われる赤と緑、看板のように制作しました。この作品を通して、ローカル台湾の魅力やパワーを感じていただけたら幸いです。

 

審査員からのコメント (大日本タイポ組合):

台湾に旅し初めて「注音」記号を見たとき、まるで日本のカタカナとかひらがなの様に思えて、つい発音できそうな気になったのだけど、実際にはどう発音したらいいのか分からない、そんな出来事を思い出しました。不思議な形の「注音」は台湾らしい魅力あるものだと思います。こうやって漢字に組み合わせれば、楽しく覚えられるかもしれない。面白いところにチャレンジしています。

もうすこし自信を持って、「檳榔屋台」の看板らしく文字を大きめにレイアウトするなどすれば、漢字と注音の関係ももっと活き活きと見えて、さらに魅力あるものになると思います。

 

Shilin 士林 (Night Market)

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by Rachel Kaoo

受賞者からのコメント:

loftwork.comが今回の公募を主催してくださったことを嬉しく思います。また、loftworkの審査員が私の作品を選んでくださったことに心から感謝しています。皆さんの作品を通して、台湾と日本の沢山の場所や土地の特色を知ることが出来たうえに、私の作品も皆さんに見ていただく機会をいただけました。

 

審査員からのコメント (大日本タイポ組合):

要素を絞り、ナイトマーケットの様子が上手く表現されています。「林」の中にあるフォークの余白が、うまいこと文字の部分になるように工夫されていて良いですね。配色が独特で、普通暖色を使ってしまうところを緑の光で表現している部分が夜店の怪しい雰囲気を出していて魅力的です。

雑然とした夜市の世界感を盛り込むためにどこか有機的な線も取り入れてみたりすると、イメージがさらに膨らむかもしれません。

 

基隆

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by Chimei Liang

受賞者からのコメント:

審査員から好評をいただいたこと、嬉しく思います。学ぶことがまだ沢山ある私がこの賞をいただき、とても励みになります。指導してくださった先生方の励ましとアドバイスが無ければ、選んでいただくことはできませんでした。今回のコンテストを通じて多くの素晴らしいデザインとアイデアを目にすることができ、とても勉強になりました。私も努力を続けて将来もっと良い作品を多く作りたいと思います。

 

審査員からのコメント (葉忠宜):

基隆門前町の廟、灯篭などの風景の特徴を基隆という二文字の中に直接溶け込ませながら、具象的過ぎることによって美観を損なっていません。それぞれの要素の連携も素晴らしく、また緊密であり、完成度の非常に高い作品です。

 

集集

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by Peiru Lin

受賞者からのコメント:

高く評価してくださった審査員の皆様に感謝します。これに続く作品の展示と、この絵を見てくださる皆さんの反応がとても楽しみです(緊張)。

この「集集」は台湾の美しい町を代表するだけではなく、この作品によって私たちの土地が息する島へと復興するように、そして土地に優しくするという意識を皆さんの心の中に広め、それが根付くようにという期待もこめています。

Formosa Rock!!

 

審査員からのコメント (葉忠宜):

手書きのようなタッチで描き出した線はちょうどよい抽象さがあります。また、色のコントロールもたいへん適切で、緑豊かな集集の町の様子を連想させますね。

 

募集時の公募ニュース:

「飛行機×ミッキー=?」漢字タイポで「街」を表現して

https://www.koubo.co.jp/news/?p=3279