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中村航選 プロットだけ大賞 第3回 大賞 異路同帰の双頭龍

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作文・エッセイ
プロットだけ大賞
結果発表

-第3回-
結果発表

お題ログライン

自分ではない自分が自分として生活を送っていることに気付いた主人公が、突如居場所を失った世界で謎を追い、真実を突き止める話。


大 賞

「異路同帰の双頭龍」
緑炎陀(著)

5.0★★★★★
カテゴリ シリアス SF 小説

舞台・世界観

高校最後の日、僕は肉体を奪われた。非人道的行為をする偽物の自分から身体を取り戻せば時間が戻りやり直せると信じ「本当の未来」のため真実を追う。

登場人物

向井龍一(25)
男性。「僕」から肉体を奪った男。老若男女構わず拷問・暴行・殺人を繰り返す。

「……もう俺は我慢しない」

僕(18)
男性。肉体なく漂う意思。肉体を奪われたときから年を取らず、以前の記憶もない。

「必ず身体を取り戻し、僕も被害者も本来の人生を歩むんだ」

嶋野ミク(24)
女性。龍一の幼馴染で残虐行為の協力者。「僕」の存在、真実を知る唯一の人物。

「思うままにすればいいのよ、龍一」

ストーリー

第1章

僕には過去の記憶と肉体がない。唯一知っているのはこの向井龍一という男が自分の肉体に入っていることのみ。追跡すると倉庫に行き着く。驚いたことに、そこには目も当てられない残虐な行為をする龍一の姿があった。

第2章

龍一の調査を続ける。僕が僕ではなくなったときから約7年、ほとんど働きもせず非人道的行為をしていることが分かった。驚いたことに、この行為には協力者がおり、それは龍一の幼馴染、嶋野ミクであった。

第3章

調査対象をミクに変更。彼女は僕を感知できるらしく真実を話す。ついに龍一を追いつめられると期待して聞く。しかしながら、彼女曰く龍一が襲うのは過去に龍一をいじめ、虐待していた人達であるという事実だった。

第4章

僕は彼が捨て去った「良心」だった。残虐行為の理由を知り徐々に記憶が蘇る。彼の肉体に飛び込めば18歳に戻り人生をやり直せると知らされた僕にミクが言う。「思うままにすればいいのよ、龍一」僕は歩み始める。


中村先生からの一言コメント

今回の応募作品は、総じてレベルが高かった。お題の冒頭「自分ではない自分が自分として生活を送っていることに気付いた主人公」というところが想像力の膨らませどころで、アイデアとして唸らされるものが多々あった。
そんななか大賞に選ばせてもらったのが「異路同帰の双頭龍」だ。
主人公は、幽体のような存在で、かつての自分の肉体が残虐な行為をしていることに心を痛め、身体を取りもどそうとする。こんな出だしから始まるのだが、主人公が実は「自分自身の捨てた良心」だった、という帰結が、実に見事などんでん返しになっている。
どんでん返しというのは……
※中村先生の大賞選評全文は
2024年春号にて掲載中です


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