中村航選 プロットだけ大賞 第3回 入選 スキルアップ
-第3回-
結果発表
お題ログライン
入 選
「スキルアップ」
渡毛継介(著)
4.3★★★★★
カテゴリ シリアス SF 小説
舞台・世界観
AI技術が飛躍的に発展した近未来の日本では、人間の仕事がAIに置き換えられつつあった。木村は自分の仕事に誇りを持つ会社員だが、あるとき自分の権限が社内の何者かによって勝手に行使されていることに気付く。
登場人物 木村昌彦(43)
男性。大手メーカーの本社勤務で、顧客対応部門の管理職。有能だが周囲に敵を作りがちで、家庭のことも省みない。
AI(ラディウス)
本社で導入されたAI。木村のデータをベースに業務最適化されており、本人よりも合理的かつ穏やかな人格を備える。
鹿島謙介(35)
男性。木村直属の部下。能力はあるが木村とそりが合わず、自分の力が発揮できないと常々ぼやいている。
ストーリー
ある日、管轄文書が勝手に決済されていることに気付く木村。鹿島に命じて犯人探しに動くが、事態に進展はない。そんな中、驚いたことに「もうひとりの自分」は木村本人よりも的確かつ迅速に職務を実行していく。
訴えても動かない上層部と呑気な鹿島に疑いを持った木村は一計を案じる。すると驚いたことに、木村に反感を持つ役員が新導入のAIに彼のデータを学習させ、検証と称して業務を代行させていたことが判明する。
上層部と部下に裏切られ、これまでの立場を失った木村は休職に追い込まれる。だが、仕事人間の彼は家庭でも居場所がなく、やむなく復職を望む。しかしながら、彼が命じられたのはAI指揮下のクレーム受付係だった。
AIの下で働き始めた木村。人づてに鹿島の生き生きした働きぶりを知り羨ましく思う。だが、彼のデータも近々AIに組み込まれるという。木村は暗澹たる気持ちを抱えつつ、鳴り出したクレーム電話に手を伸ばした。
中村先生からの一言コメント
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