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中村航選 プロットだけ大賞 第3回 入選 ゴミから拾ったバースデー

タグ
作文・エッセイ
プロットだけ大賞
結果発表

-第3回-
結果発表

お題ログライン

自分ではない自分が自分として生活を送っていることに気付いた主人公が、突如居場所を失った世界で謎を追い、真実を突き止める話。


入 選

「ゴミから拾ったバースデー」
高瀬奈々(著)

4.3★★★★
カテゴリ シリアス SF 小説

舞台・世界観

朋美は四年間付き合った彼氏と一年前に別れて以来、絶望してもぬけの殻。だが誕生日の朝、侵入者に自分を乗っ取られそうになり、取り戻すため自分磨きに奮闘することに。

登場人物

飯島朋美(29)
女性。貿易事務をバリバリこなすOLだが私生活は自堕落。元は誕生日の度にToDoリストを作って完遂するようなバイタリティ溢れる性格。

「「今日は、あー、資源ゴミの日。毎日毎日ゴミみたいなもんだけどな!!っと」

女(名前は不明)
年齢不明、朋美と同じ位。女性。謎の侵入者。朋美に瓜二つだが爪も髪も小綺麗で雰囲気も明るい。朋美の人生を乗っ取ると 言うが…!?

「誕生日ィー、ありがとーっ!!捨てちゃうんならあんたの人生もらい♪」

ストーリー

第1章

朝起きて大切なことを忘れている気がする朋美。散乱した物をゴミ箱に投げ入れた後、カレンダーで「資源ごみの日」と気付き、取るに足らない自分に幻滅する。驚いたことに朋美は自分の誕生日であることを忘れていた。

第2章

振り向くと瓜二つの女が立っていた。だがどこも少しずつ朋美より格上に見える。苛立つ朋美は自分の情けなさをまくしたて、女と口論になる。驚いたことに女は、自分は「やらずに済ませなかった方の」朋美だと言った。

第3章

卑屈な言葉を吐くほど自分の体が消え、女の輪郭が濃くなることに気づいて慌てる朋美。落ち着こうとして先程沸かした湯をゆっくりと飲んだ。驚くべきことに、一口飲むごとに朋美の体が元に戻っていった。

第4章

朋美はゴミ箱から ToDoリストを拾う。一行目は「毎朝白湯を飲む」。リストの実現で自分を取り戻せると気付いたのだ。二行目の「桜色ネイルをする」を見て朋美はコンビニに走り出した。女は安堵の表情で見送る。


中村先生からの一言コメント

「ゴミから拾ったバースデー」は、最後の白湯を飲むメモのエピソードが素晴らしすぎて感心した。
※中村先生の大賞選評は2024年春号にて
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