101歳で逝去した染色家・柚木沙弥郎の75年にわたる創作世界を堪能!島根県立美術館で回顧展開催


染色家として知られる柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)の回顧展「柚木沙弥郎 永遠のいま」が、2025年4月18日から6月16日まで島根県立美術館で開催される。101歳で生涯を閉じた柚木の75年にわたる創作活動の全貌を一堂に会する貴重な機会となる。
柚木は戦後、民藝思想に触れ、芹沢けい介のもとで染色家としての道を歩み始めた。その作品は色彩豊かで大胆、時にユーモラスな特徴を持つ。本展では、注染や型染などの代表的な染色作品をはじめ、版画、コラージュ、絵本原画、立体作品など、多岐にわたる創作世界を紹介する。
展示の目玉の一つは、柚木の染色作品の変遷だ。量産技法を取り入れた注染作品から、生命感あふれる型染作品、そして2000年代以降の抽象的な作品まで、時代とともに変化する表現を追うことができる。また、約12mの大作絵巻物《鳥獣戯画》など、晩年まで衰えることのなかった創作意欲を示す作品も展示される。
さらに、島根をはじめとする国内外の各都市をテーマにした特別展示も行われる。特に注目すべきは、島根出身の陶芸家・舩木研兒との交友を紹介するコーナーだ。両家に残る互いの作品を通じて、民藝思想を共有しながらも異なる分野で独自の道を歩んだ二人の芸術家の関係性が浮き彫りになる。
展覧会に合わせて、様々な関連イベントも企画されている。オープニングギャラリートークや記念講演会のほか、展示室での即興演奏会、オリジナル楽器作りのワークショップ、型染体験など、柚木の作品世界をより深く体感できるプログラムが用意されている。
101歳まで創作を続けた柚木沙弥郎の生涯を通じた芸術の軌跡を辿る本展は、日本の染色芸術の魅力を再発見する絶好の機会となるだろう。芸術ファンはもちろん、色彩豊かな作品世界に触れたい人にもおすすめの展覧会である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000910.000036130.html