福岡の中心地・天神に位置するYUGEN Gallery FUKUOKAで、注目の展覧会「COMPLEX」が2025年6月12日から26日まで開催される。本展は、韓国・ソウルを拠点に活動するアート・コレクティブ「C.P.S（Complex Seoul）」による意欲作だ。

展示では、ジュ・ジェボム、275C、キム・ドンホ、ソル・ドンジュ、イ・ドンフンの5名のアーティストが、それぞれの視点で「COMPLEX（複雑）」をテーマに作品を展開。絵画、立体、グラフィック、映像など多様なメディアを駆使し、現代社会に生きる個人が抱える「劣等感」や「複雑な感情」を鮮やかに表現する。

C.P.Sのリーダー的存在であるジュ・ジェボムは、韓国社会の競争の激しさや、努力が報われない徒労感、そして世界的な注目を集める自国への誇りなど、相反する感情を抱える現代人の姿を描き出す。「今この瞬間に向き合っている複雑な感情、それぞれの内面に抱えるCOMPLEX。その現実は悲しみであり笑いであり、時にとても些細なものかもしれません」と語る彼の言葉には、作品に込められた思いが凝縮されている。

本展の特徴は、5人のアーティストがそれぞれの独自の表現方法で「COMPLEX」を解釈し、視覚化している点だ。275Cのポップでキッズライクな作品、キム・ドンホの風刺的な絵画、イ・ドンフンの「お土産」をモチーフにしたアート、ソル・ドンジュの都市風景を捉えたペン画と写真など、多彩な作品が一堂に会する。

展覧会を通じて、観る者は自身の内なる「複雑さ」と向き合い、新たな物語を紡ぎ出すきっかけを得られるかもしれない。現代社会を生きる私たちの心の機微を鋭く捉えた本展は、アート愛好家だけでなく、自己と向き合いたい人々にとっても刺激的な体験となるだろう。

なお、本展は7月にYUGEN Gallery（東京・南青山）でも開催予定。福岡と東京、2つの都市で韓国現代アートの最前線を体感できる貴重な機会となる。入場は無料。アートを通じて自己を見つめ直す、そんな特別な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000432.000074187.html