AIと記憶が織りなす幻想都市 - 山崎雅未の個展「Anywhere」が宝塚で開催


宝塚市立文化芸術センターで、注目のアーティスト山崎雅未の個展「Anywhere」が2025年8月8日から9月15日まで開催される。本展では、人工知能が生成した都市の夜景を独自の手法で描き出す山崎の作品約100点が展示される。
1987年生まれの山崎は、宝塚市で育った経歴を持つ。彼女の作品は、AIが創出した架空の都市風景を、自身の身体を通して再解釈し、キャンバス上に表現するという独特なアプローチが特徴だ。近づくと抽象画に、離れると具象画に見える山崎の絵画は、現代都市の複雑な様相を鮮やかに映し出している。
本展の目玉は、幅6.5メートルにも及ぶ大型の最新作だ。高層ビル群の手前に遊園地の要素を取り入れたこの作品は、AIが生成した都市景観と作家の幼少期の記憶が融合した、まさに「どこにもない」そして「どこにでもある」風景を描き出している。
展示される作品群は、アクリル絵画を中心に、ドローイング、鉄板絵画など多岐にわたる。山崎の卓越した色彩感覚と、独自の技法によって生み出される画面は、観る者を幻想的な都市の世界へと誘う。
また、8月9日には山崎本人や専門家を交えたトークイベントも予定されている。アーティスト自身の言葉で作品や制作過程について語られる貴重な機会となるだろう。
デジタルとアナログ、集合知と個人の記憶が交錯する山崎の作品世界は、情報過多の現代社会を生きる私たちに、新たな視点を提供してくれるかもしれない。宝塚の地で開催されるこの個展は、アートファンはもちろん、都市や記憶、テクノロジーに興味を持つ人々にとっても、見逃せない展覧会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000150322.html