多摩美術大学の演劇舞踊デザイン学科が、従来の枠を超えた新たな舞台芸術プロジェクト「びびび」を始動させた。このプロジェクトは、上演芸術の最前線で活躍する教員アーティストとオーディションで選抜された学生が共に創作に挑む、前例のない試みだ。

第一弾となる『アートマーザー』は、多摩美術大学創立90周年を記念して2025年9月に上演される。注目すべきは、FUKAIPRODUCE羽衣を解散した糸井幸之介准教授による書き下ろし新作だ。さらに、柴幸男准教授がドラマトゥルク、近藤良平教授が振付、野上絹代講師が主演を務めるという豪華布陣が実現。これに15名の選抜学生が加わり、世代や立場を超えた異色のクリエイター・キャスト陣が舞台に立つ。

「びびび」という名称には、何かが伝わり、破れ、光り輝く様を表現する意味が込められている。閉塞感漂う現代に、若い学生とベテランアーティストが力を合わせ、多様性を重ね合わせることで、世界を揺さぶる新しい風景を創出しようという意気込みが感じられる。

本プロジェクトの特筆すべき点は、学生の関わり方だ。出演だけでなく、美術、衣裳、照明のデザイン、さらにはスタッフワークまで、学内コンペティションで選ばれた学生たちが「プランナー」として創造に携わる。これは、演劇舞踊デザイン学科が掲げる「創作と発信を一体化し、実践を通して次世代のアーティストを育成する」という教育理念を体現したものといえる。

多摩美術大学のこの挑戦的な取り組みは、従来の舞台芸術の概念を打ち破り、新たな表現の可能性を切り開くものとして期待が高まっている。「びびび」が鳴り響く舞台で、未来の舞台芸術を担う才能がどのように花開くのか、業界内外から注目が集まっている。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000034331.html