国際的な現代アートフェア「Tokyo Gendai」が、新設された「Hana Artist Award」の受賞者を発表した。栄えある第1回目の受賞者に選ばれたのは、86歳の芸術家・中辻悦子氏だ。長年にわたる芸術活動が評価され、約150万円の賞金が贈られる。

中辻氏は1937年大阪生まれ。60年以上にわたり、「ひとのかたち」をモチーフに絵画、彫刻、版画など多彩な分野で活動を続けてきた。今回の受賞作となった新作シリーズ「Where are you from? どこからきたの」は、抽象と具象が融合した独特の表現で、人間の存在や感情に深い共感を呼び起こす作品だ。

選考委員を務めたArtReview編集長のMark Rappolt氏らは、「中辻悦子の作品は、素材やその扱いに対する洗練さ、そして自信の強さが感じられ、特に目を引いた」と評価。「コンテンポラリーアートが必ずしも『新しさ』だけを追うわけではないことを顕示している」と、中辻氏の長年の実践を高く評価した。

第3回Tokyo Gendaiは、9月12日から14日までパシフィコ横浜で開催される。16カ国から66のギャラリーが参加し、世界水準の現代アート作品が展示・販売される。中辻氏の受賞作品をはじめ、大型インスタレーションやトークセッションなど、充実したプログラムが用意されている。

Tokyo Gendaiは、単なるアートフェアを超えて、日本と世界のアートシーンをつなぐプラットフォームとしての役割を果たしている。ギャラリー、アーティスト、コレクター、オーディエンスといった幅広いアートコミュニティが集い、新たな視点やアイデアを共有する場となっている。

今回の中辻氏の受賞は、長年にわたる芸術活動の集大成であると同時に、日本の現代アートの力強さを世界に示す機会となった。Tokyo Gendaiを通じて、今後も日本のアートシーンがさらなる発展を遂げることが期待される。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000103225.html