【2.4更新】元祖・変わった女の子物語『虫めづる姫君』 世にも奇書な物語 Vol.8



『虫めづる姫君』
『虫めづる姫君 堤中納言物語』
(蜂飼耳訳/光文社古典新訳文庫)
元祖・変わった女の子物語
『虫めづる姫君』は作者不詳の「堤中納言物語」の中の一編、平安時代の短編小説だ。
「めづる」とは、「心惹かれる、かわいいと思う」という意味で、つまり、『虫めづる姫君』とは虫好きの女の子だ。
虫が好きと言って、美しい蝶とかタマムシではない。
声が美しいスズムシでもマツムシでもなく、姿かたちが雄々しいカブトムシでもない。
好きなのは、なんと毛虫だ。
これには仕えている侍女たちもドン引きで、どうしたものかと戸惑っている。
それはそうだ。毛虫なんていやと逃げたいが、侍女だからお世話しなければならない。
これはつらい。
しかし、姫君はそんなことは意に介さず、虫好きを通す。
眉毛も抜かず、お歯黒もせず、つまり身だしなみにかまわず、いい仲になりそうになった御曹司に、虫好きが原因で振られてもなおありのままに生きている。
みんななんにもわかってないわ、毛虫こそ最高!と物事の本質を見抜いている平安版虫ガールはどこか痛快だ。
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