石田幽汀の傑作がよみがえる。ミネアポリス美術館の「群鶴図屏風」複製品が兵庫に里帰り


米国所蔵の国宝級作品が兵庫県立歴史博物館へ寄贈
キヤノン株式会社と特定非営利活動法人京都文化協会は、「綴プロジェクト」の第18期作品として制作した米国ミネアポリス美術館蔵「群鶴図屏風」(石田幽汀筆)の高精細複製品を兵庫県立歴史博物館へ寄贈する。寄贈作品は、2026年2月25日(水)から5月6日(水)まで館内の一般開放エリアで展示される。
幽汀の故郷へ里帰りした傑作「群鶴図屏風」の魅力
「群鶴図屏風」は、金地を背景に右隻・左隻を通して三十六羽の鶴の群れが描かれた作品である。タンチョウ、マナヅル、ナベツルなど複数の種類の鶴が描き分けられ、さまざまな姿態をとる鶴たちが変化とリズムのある構成を生み出している。作者の石田幽汀は、播州明石郡(現在の兵庫県明石市)に生まれ、江戸時代中期に活躍した鶴沢派(狩野派の一派)の絵師だ。写実性と装飾性を兼ね備えた画風が特徴であり、本作にもその特徴がよく表れている。原本は米国ミネアポリス美術館に所蔵されており、日本での鑑賞の機会は極めて限られていた。このたび、高精細複製品の制作により、幽汀の故郷である兵庫への里帰りが実現した。
キヤノンと京都伝統工芸の技の融合で再現
高精細複製品の制作にあたっては、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラでオリジナルの文化財を撮影し、独自開発のカラーマッチングシステムを用いた画像処理を行った上で、12色の顔料インクを搭載した大判インクジェットプリンターで出力している。さらに、京都の伝統工芸士が金箔などを用いた装飾を施し、屏風に仕立てることで、オリジナルの文化財を限りなく忠実に再現した。
兵庫県立歴史博物館での展示と今後の活用
寄贈作品は、2026年2月25日(水)から5月6日(水)まで、兵庫県立歴史博物館の1階ロビーにて展示される。この展示では、ガラスケース無しで間近での鑑賞や写真撮影を楽しむことができる。期間中には、同館が所蔵する石田幽汀の作品「四季風俗図屏風」も、「美術とくらし」エリアにて展示される。寄贈作品は、その後も同館での式典やイベント、教育普及事業などでの活用が予定されている。
2007年から続く「綴プロジェクト」の意義
「綴プロジェクト」は、キヤノンと京都文化協会が2007年より共同で推進している文化支援活動である。日本古来の貴重な文化財には、歴史の中で海外に渡った作品や国宝として大切に保管されている作品など、鑑賞の機会が限られているものが多くある。キヤノンのイメージング技術と京都伝統工芸の匠の技との融合により、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作し、文化財にゆかりのある社寺や自治体、博物館などへ寄贈している。これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、60作品を超える高精細複製品を制作してきた。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001178.000013980.html