人間国宝・大槻文藏が演じる第51回篠山春日能、4月11日開催


国指定重要文化財の能舞台で繰り広げられる幻想的な舞
令和8年4月、丹波篠山の春日神社で「第51回篠山春日能」が開催される。人間国宝・大槻文藏師を迎え、国指定重要文化財である能舞台にて上演される本公演は、自然と歴史、そして能が一体となる特別なひとときをもたらす。令和7年に第50回を迎えた記念公演で多くの来場者を惹きつけた幻想的な舞が、再び春の丹波篠山に蘇る。
開催日時と会場、入場料について
公演は令和8年4月11日(土)の開催で、開場は11時00分、開演は13時30分である。会場は兵庫県丹波篠山市黒岡75に位置する春日神社能舞台で、国指定重要文化財としての格式高い舞台となっている。入場料については各席料金が丹波篠山市公式ホームページに掲載されており、詳細情報の確認が可能。
演目と出演者、そのあらすじ
能「杜若【かきつばた】」は諸国一見の僧が三河国の八橋に到着し、水辺に咲く杜若に見惚れるところから始まる。そこへ声をかけてきた女から、在原業平が『伊勢物語』で詠んだ「かきつばた」の和歌について聞かされる。女は僧を庵へ案内し、「かきつばた」に詠まれた二条后高子と業平の形見の唐衣と冠を身にまとう。やがて自分が杜若の精であることを明かし、業平の歌が数々の恋の相手を救ったことを述べながら舞い謡い、夜明けとともに消え去る。大槻文藏が演じるこの演目では、古歌の美しさと精霊の物語が融合する。
狂言「清水【しみず】」では、評判の茶会を開くため主人が太郎冠者に野中の清水を汲みに行くよう命じる。鬼が出るという場所への不安から、太郎冠者は嘘をつき、桶を放り出して逃げたと主人に報告する。慌てた太郎冠者は先回りして鬼に扮し、主人を騙そうとするが、事態は予想外の展開を見せるユーモアあふれる演目となっている。
能「小鍛冶【こかじ】」は京の名高い刀匠・三条小鍛冶宗近のもとへ勅使が訪れ、一条天皇からの勅命を告げるところから幕を開ける。だが宗近は相槌を打てる名手がおらず、氏神の稲荷明神に加護を求める。そこへ童子が現れ、宗近を力づけて消える。やがて稲荷明神が現れ、宗近の相槌を務めながら無事に御剣を仕上げ、名剣小狐丸を勅使に捧げるという、技と信仰が織りなす演目である。
篠山春日能の歴史と能舞台の特徴
春日神社能舞台での能会は明治になるとほとんど催されなくなったが、地元有志の尽力により昭和48年(1973)に第1回の篠山春日能が復活した。その後、数回の休止はあるものの、ほぼ毎年開催され、令和7年で50回の歴史を数えるに至った。毎年元旦には「元朝能」として翁が奉納されており、現在は年に二度、春日神社能舞台で能会が開催されている。
能舞台は平成15年(2003)に国の重要文化財として指定され、篠山城主の青山下野守忠良公が文久元年(1861)に奉納したものである。建築は稲山嘉七と永井理兵衛が担当し、鏡板の絵は松岡曽右衛門の筆による至れり尽くせりの設備を整えている。建てられた当時は箱根より西でこのような立派な舞台はないとまで言われており、音響効果のために床下に据えられた7つの丹波焼の大甕は大きな特徴となっている。
丹波篠山の魅力と春日神社について
丹波篠山春日神社は「おかすがさん」の愛称で呼ばれ、地元氏子の皆様のご奉仕により整備された凛とした静寂な雰囲気が特徴である。古来より地元の信仰が厚く、毎年、日本で新年最初に能舞台で開催される元朝能「翁」の人気から、近年は芸事関連の方々も多く参拝されている。境内には能舞台をはじめ、「黒神馬」などを展示した絵馬殿が設置されており、10月の秋季大祭では4社の金神輿、9基の鉾山、8台の太鼓御輿が街中に繰り出す。
兵庫県の中東部に位置する丹波篠山市は、古来、西国から京都への交通の要として栄えてきた。町なみや山鉾が巡行する祭礼など、現在も京都文化の影響が随所に残っており、盆地特有の昼夜の寒暖差や秋から冬にかけて発生する「丹波霧」が育む「丹波篠山黒豆」をはじめとした多くの農産物により、四季の味覚を楽しむことができるまちとして知られている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000127657.html