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有吉佐和子『海暗』復刊決定、米軍射爆場計画で揺れる島民を描く傑作

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報道発表
プレスリリースより

半世紀以上前の作品が今も輝く理由

有吉佐和子の問題作『海暗』が河出文庫から4月7日に復刊される。発表から半世紀以上を経た作品群が多くの読者の共感を集めるのは、時代や社会の歪みを鋭く見据え、普遍的なテーマを描いているからである。家族や友人との人間関係、人種問題、環境問題、地域社会、価値観の衝突といったテーマは、切実な問題として現代社会に存在している。近年の復刊も大ヒットしており、有吉文学は時代を超えて読み継がれている。

伊豆の孤島に突きつけられた国家の決定

本作『海暗』は、伊豆七島の御蔵島に突如持ち上がった米軍射爆場計画に翻弄される島民たちの現実を描いた長編小説である。平和でのどかな島に住む島民たちに突然知らされた驚くべき通知は、やがて島民の心を分裂させていく。共同体の絆と分断、伝統と変化のあいだで揺れる人々の姿は、現代の私たちへ切実なリアリティをもって迫る作品となっている。

島民の苦悩と哀歓を描く傑作長編

島の伝統と若者の離島問題に揺れる島民たちの生きる姿は、島への深い愛情を持つ長老・オオヨン婆を中心に描かれている。島民たちの逞しく生き抜く姿も魅力的で、人々の人間ドラマが時にユーモラスに描かれ、根強い人気を誇ってきた。評論家の高橋源一郎氏は解説の中で、「これはほんとうに六十年近くも前に書かれた小説なのだろうか。この小さな島の混乱、人びとの困惑は、いまわたしたちが感じているものと同じではないか。そして、これこそが、有吉佐和子の文学の本質なのだ」とコメントしている。

『海暗』出版概要

『海暗』は河出文庫より2026年4月7日に発売される。税込定価は1,210円で、仕様は文庫判・並製・402頁。解説は高橋源一郎氏が担当している。ISBN は978-4-309-42255-8である。なお、電子書籍の発売予定はない。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001214.000012754.html