『魔法の姉妹ルルットリリィ』第4話でバーチャルカメラ技術が臨場感のある歌唱シーンを実現


バーチャルカメラ「ジャンヌ・ダルク」が新たなアニメ制作の可能性を開く
株式会社カヤックが開発したバーチャルカメラ技術「ジャンヌ・ダルク」が、2026年4月5日より放送開始のTVアニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』で活用されている。VRデバイスを用いて仮想空間内に入り込み、実写撮影のようにカメラを操作しながら構図やアングルを決定できるこの技術により、モーションキャプチャーで収録した生の演技をCG化し、バーチャル空間上に配置して撮影を行う新たな制作フローが実現した。本技術は毎話放送されるエンディングの歌唱シーンのほか、4月26日放送予定の第4話をはじめとする劇中のライブシーンでも導入されている。
従来のアニメ制作では実現困難だった3つのメリット
「ジャンヌ・ダルク」の導入により、複数のメリットが生まれた。第一に、監督や演出担当自身がVRデバイスやスマートフォンを手にカメラマンとして仮想空間内のアングルを決定することで、絵コンテや指示書を介したイメージ伝達のロスが排除され、演出意図を100%映像に反映させることが可能となった。第二に、バーチャル空間でリアルタイムに動くキャラクターを見ながらカメラを回すため、パフォーマンスの見せ場とカメラの動きが完璧にシンクロし、キャラクターがその場にいるかのような一体感のあるシーンが構築できる。第三に、モーションキャプチャーによる精密な演技と現実の物理法則に基づいたカメラワークにより、最終的な作画に圧倒的な説得力と実在感が付与される。
モーションキャプチャーから作画への置き換えまで4段階の制作フロー
『魔法の姉妹ルルットリリィ』の歌唱シーンは、モーションキャプチャーで細かな指先の動きや重心の移動、呼吸感を精密に収録することから始まる。次に、収録した演技データをバーチャル空間上に配置して背景データと組み合わせ、「ジャンヌ・ダルク」を使用した撮影を行い、映像の骨子となるVコンテを制作する。この工程により従来の絵コンテ作成の必要がなくなり、演技とカメラワークが同時に設計できるようになった。その後、実際の人間の動きに基づくモーションキャプチャーはアニメ特有のテンポに対して動きがゆるく見えるため、Vコンテ上でカットの尺や間を調整し、必要に応じて動きを間引いてアニメーションとして自然に成立するよう再構成する。最後に、確定したカメラワークと構成をもとに、キャラクター部分を手書きの作画へと置き換え、最新テックによるカメラワークと伝統のアニメーション技術が融合したアニメーション映像として仕上げられる。
監督とライブパート演出からのコメント
監督の道解慎太郎氏は、「はじめの内は勝手が分からず戸惑うこともありましたが、実際にカメラを覗き、被写体を写す、編集でカットを繋ぐという工程を経て、アニメーション表現のまた新しい可能性に触れることができた」とコメントしている。ライブパート演出の錦織博氏は、「ダイレクトに収録できるカメラデータはそのまま本番データとして使用することでアニメーターやエフェクトとの連携もスムーズである」と、技術の実用性を高く評価している。ぴえろ魔法少女シリーズの伝統的な作画表現とカヤックの先端技術が融合した新時代の映像体験に期待が集まっている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000932.000014685.html