出光真子展「おんなのさくひん」東京都写真美術館で6月開催


実験映像の先駆者・出光真子の大規模回顧展
東京都写真美術館では、2026年6月18日から9月21日まで、日本における実験映画およびビデオアートのパイオニアである出光真子の展覧会「出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝」を開催する。1940年生まれの出光は、1960年代のアメリカ滞在を経て映像制作を始め、女性の生き方や家族、メディアと社会の関係を主題に、フィルムとビデオを用いた作品を発表してきた。とりわけ1970年代以降のビデオ作品では、テレビ・メロドラマの語法を取り入れながら、母と子、夫婦関係、女性の社会的役割といったテーマを独自の視点から描き出している。
東京都写真美術館が収蔵した全作品を網羅
同館は2016年~2017年度に出光真子のフィルム・ビデオ全作品および主要なインスタレーション作品を収蔵した。本展は収蔵後初公開となる作品を含め、出光の創作活動の全貌を振り返る大規模な回顧展となる。フィルム時代の作品から、ビデオアートの黎明期における独自の映像世界まで、体系的に紹介される。当館で収蔵する全43点を、展示と上映により網羅的に公開される予定だ。本展タイトルにある「おんなのさくひん(What a woman made)」は、映像作家・出光真子の評価を決定付けた、初のビデオ作品(1973年)のタイトルを用いたものである。
家庭や社会をめぐる現代的なテーマ
出光が抽象画家サム・フランシスと結婚し移住した1965年は、アメリカで女性解放運動が活発化した時期だった。二児の母として家庭を営みながら、娘、妻、母という社会的役割と、アーティストとしての自己との間で葛藤を抱えつつ制作を続けた。鋭い観察眼で自身の日常と社会を見つめ、男性主導の社会構造や日本的な家庭観を描いた出光の作品は、作品発表から30年以上を経た現在においても、女性を取り巻く性や社会のあり方を見つめ直す契機を与えてくれるだろう。近年は、ジェンダーや身体をめぐる国際的な議論の高まりのなかで、その実践があらためて注目されている。
多彩な映像表現を体験
出光はフィルムからビデオへと表現の場を広げ、それぞれのメディアの特性を活かした多彩な映像を生み出した。16mmフィルムの〈At〉シリーズでは、日米を行き来する出光自身の心象風景を繊細に描き出した。一方ビデオ作品では、画面内に別のモニターを映し込む「マコ・スタイル」など、ビデオならではの手法を展開している。さらに1980年代のビデオ作品では、テレビドラマのように物語性が強まり、演出の魅力にも富んだ作品へと発展していった。本展では、こうした表現の変化と広がりをたどる構成となっている。
インスタレーション作品と上映プログラム
1976年の《祖母・母・娘》以降、出光は全8点のインスタレーション作品を制作した。本展では東京都写真美術館所蔵の3点に加え、作家蔵の2点をあわせた計5点のインスタレーションを、展示室内外で紹介する。1階ホール(定員190名)では、出光の作品40点を9つのプログラムで上映する。《Woman's House》、《At Yukigaya 2》など一部作品はニュープリントによる16mmフィルム上映を予定している。上映日は6月18日~20日、7月9日~12日、8月27日~30日、9月17日~20日で、料金は1プログラムあたり一般・シニア500円、学生・高校生以下無料である。
関連情報と観覧料
会期は2026年6月18日(木)~9月21日(月・祝)で、会場は東京都写真美術館2階展示室(東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内)。開館時間は10時~18時(木・金は20時まで)。観覧料は一般700円、学生560円、高校生・65歳以上350円。中学生以下及び障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001044.000038211.html