飛騨の自然を彫り続けた木版画展、袖垣治彦と蒲雄二の2名展を同時開催


飛騨出身の美術家2名が同時展示、自然と土着をテーマに
岐阜県飛騨市の飛騨市美術館では、飛騨地方出身の美術家2名による展覧会を5月2日から6月28日にかけて同時開催する。木版画家・袖垣治彦氏の「袖垣治彦 木版画展(第Ⅰ期) ~飛騨の山々、渓流、高原を彫る~」と、画家・蒲雄二氏の「土着との出会い―蒲雄二の還る処」の2展覧会である。
袖垣治彦の木版画展、飛騨の自然を四つの視点で紹介
袖垣治彦氏は1929年に吉城郡上宝村(現高山市上宝町)で生まれ、1954年に岐阜大学美術工芸学科を卒業した。教職に就いた後、戦後の飛騨地方の教育版画の中心的指導者として地域の版画教育に尽力。制作面でも岐阜県展や日本版画協会展での入選を重ねるなど幅広く評価されてきた。
木版画展は「飛騨の山々」「渓流」「高原」「抽象」の四つの視点で作品を厳選。特に旧宮川村や旧河合村など飛騨市北部の自然風景に深く入り込み、その地の美しさを発見しながら作品化している点が大きな特徴である。名勝地ではなく地元の自然に真摯に向き合い、清新でダイナミックな木版画で飛騨の自然の息吹を伝える。展覧会は飛騨市美術館で開催され、観覧料は200円。
関連イベント充実、制作過程の講話とワークショップ
6月21日には袖垣治彦氏が展示室を巡りながら、自身の版画作品について語る「袖垣治彦氏 自作を語る」を開催。スケッチした思い出やアトリエでの摺りの経験など制作過程について講話する。14時から15時まで、無料で申し込み不要。
また6月14日には「親子ワークショップ 葉っぱで作るミニ行灯」を古川郷土民芸会館 工房で開催。木版画家の松見ひろ子氏を講師に迎え、自然の素材を使ったスタンピングと和紙を使った行灯づくりを実施。13時30分から16時まで、参加費300円で親子15組限定(要申込)。
蒲雄二展は常設展で開催、海外で得たインスピレーション展示
蒲雄二氏は1937年に吉城郡古川町(現飛騨市古川町)で生まれ、成蹊大学在学中に美術部を設立し画家の道を志した。モダンアート展での活躍や日伯現代美術展など各種公募展で多数の受賞歴を持つ。飛騨市文化交流センターの緞帳《創造のドラムは響き》を手がけ、地域文化にも貢献している。
本展は常設展での開催となり、入館料は無料。1972年メキシコへの初の海外渡航や2010年代のネイティブアメリカンとの交流を通じて深めた土着文化への関心が作品の重要なテーマ。「土着」をキーワードに、海外で得たインスピレーションによる抽象作品を中心に紹介する。展覧会の特徴は、蒲氏が土着というテーマのもと制作した多彩な作品群を作品の背景と共に紹介し、抽象表現の難解さを解消しながら鑑賞の楽しさを体験できることである。
飛騨市美術館へのアクセス、駐車場も完備
飛騨市美術館はJR高山線「飛騨古川駅」の線路を跨いですぐの北東に位置し、300台以上駐車可能な無料の公共駐車場「飛騨古川駅東駐車場」も近い。同一敷地内には飛騨市文化交流センターをはじめ、古川町コミュニティセンター、古川郷土民芸会館、飛騨市福祉事務所が集まり、文化施設と公共空間が一体となった環境が整備されている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000120394.html