DCON2026開催直前、DCON2024最優秀賞チームの挑戦が社会課題解決へ


10代の高専生が起業、1414億円の社会課題に挑む
AIの知識に加え起業経験もなかった10代の高専生が、わずか1年足らずで特殊詐欺防止策『サギ止め太郎』を構想し、スタートアップ企業「ToI Nexus」を起業した。2025年の特殊詐欺被害額が過去最悪の1,414億円に達する中、このAIソリューションは自治体や警察との社会課題解決実証プロジェクトに採用されている。東京都立産業技術高等専門学校 品山キャンパスのAIスマート工学コース出身の西谷代表ら当時2年生のチームが、高専生のAI技術と事業性を企業評価額で競うビジネスコンテスト「DCON2024」に挑戦したことが、この快進撃の起点となった。
企業評価額4億円で獲得した最優秀賞のビジネス戦略
「DCON」は高等専門学校の学生がAI技術を活かし、社会課題解決につながる作品やサービスを競い合う事業創出型のビジネスコンテストである。最大の特徴は、現役のベンチャーキャピタリストが事業性を「企業評価額」という投資価値で評価する点にあり、最も企業評価額が大きいチームが最優秀賞となる。西谷らのチームが提案した『サギ止め太郎』のプロトタイプ作品とビジネスプランは、投資家から企業評価額4億円という高い投資評価を獲得して最優秀賞に輝いた。
審査員から高額評価を得た背景には、単なるディープラーニング技術の実装だけでなく、社会実装における障壁を一つずつ解消した点にあった。既存の固定電話に外付けするだけで稼働する設計により、高齢者が導入をためらう高額な買い替えや複雑な設定といったハードルを排除した。さらに通話内容をクラウドに送らずデバイス内で即時解析するエッジAIにより、詐欺の兆候を0.1秒で検知する実用性を証明している。単なる防犯グッズに留まらず、自治体や通信キャリアの見守りサービスとして組み込める拡張性も備えており、社会インフラとしての事業価値を高めた。
高専の教室から世界のステージへ、DCONが生む起業家
「ToI Nexus」は兵庫県の「ひょうごTECHイノベーションプロジェクト」に採択され、2025年度は県民生活部および警察本部と連携した実証を実施している。現在も本取り組みは継続しており、自治体主催の体験イベントでの採用が進むなど、社会実装に向けた展開が広がっている。JDLAが設けている「DCON Startup応援1億円基金」による資金提供や創業バックオフィス支援、事業メンタリングなどのサポートにより、これまでに「ToI Nexus」を含む14社のDCON発スタートアップ企業が誕生している。
DCON発スタートアップの最大の実績は、東京都主催の国際イベント「SusHi Tech Tokyo 2026」(東京国際フォーラム、4月27日より開催)への登壇決定である。このアジア最大級のイノベーションカンファレンスで「ToI Nexus」は、AI詐欺師による最新の手口を擬似体験させる「最新詐欺体験ワークショップ」の披露も予定している。
2026年5月、第7回コンテスト開催、過去最多応募から10チームが集結
「DCON2026」は2026年5月8日・9日、ヒカリエホール(東京都渋谷区)で開催される。過去最多となる40高専/91チーム/119作品の応募から選抜された最終10チームが一同に集結し、医療・防災・農業・インフラ等の社会課題に対しAI×ものづくりによる解決策を提案する。仙台高等専門学校による全自動運搬ロボット、神山まるごと高等専門学校による介護現場支援AI、沖縄工業高等専門学校による認知症早期検知AI等、社会を変える若き才能たちの挑戦が実現する場となる。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000268.000028865.html