岡崎京子×伊藤若冲、東京で時代を超えた競演―麻布台ヒルズで開催


京都からの巡回展、東京で初開催
2025年に京都アンプリチュードで開催した「and flowers」展が東京に巡回する。岡崎京子のコロタイププリント作品と伊藤若冲の木版画作品をあわせて展示する企画である。集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー(麻布台ヒルズ)で2026年4月28日から6月28日まで開催される。
マンガの領域を広げた岡崎京子の作品世界
岡崎京子(1963~)はマンガの領域を大きく広げた作家である。1989年に発表した『pink』では、「これは東京というたいくつな街で生まれ育ち『普通に』こわれてしまった女のこの『愛』と『資本主義』をめぐる冒険と日常のお話です」と述べており、ゴダール映画やライブハウスと同じように新しい体験として読まれた作品だ。1996年の交通事故により執筆が困難となったが、今回のプリント作品は岡崎の了承を得て集英社マンガアートヘリテージが制作したものである。
コロタイプ印刷で再現した岡崎作品の細部
『pink』『私は貴兄のオモチャなの』『うたかたの日々』より厳選した4点のイラストレーションを作品化した。福井の岩野平三郎製作所で作られた手漉きの越前和紙と、京都の便利堂コロタイプ工房によるプリント技法を使用している。コロタイプ印刷はガラス板を用い、網点ではなくグラデーションにより色の濃淡を表現するユニークな印刷技法で、鉛筆のラフなタッチからペンによる繊細な描線までを再現し定着させた。
江戸の奇想画家、伊藤若冲の花卉図
伊藤若冲(1716~1800)は江戸時代に活躍した奇想の画家である。「樹花鳥獣図屏風」や「群鶏図」で知られており、今回展示される「花卉図」は若冲が80歳を過ぎて描いた天井画。約33センチの円形の中に多様な花々が描かれている。明治年間に芸艸堂により彩色木版画『若冲画譜』としてまとめられ、この板木を用いて伝統的な浮世絵の技法で制作された。集英社マンガアートヘリテージの要望により背景色を鮮やかな金で刷ったものが展示作品となっている。
200年の時を超えた作品の対話
戦後高度成長期に東京・下北沢の理髪店で、江戸時代中期に京都・錦小路の青物問屋でそれぞれ生まれ育った二人の作品。四角いフレームの中のモノクロームの女のこたちと丸いフレームのなかのカラフルな花々が、200年の時を越えて並ぶ。内容もスタイルも大きく異なる作品から、ゆっくり滲みだしてくる何かを体験できる展示となっている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000879.000011454.html