河鍋暁斎の初公開作品65点を展示、秘蔵の名品も揃う展覧会


東京・加島美術で開催される河鍋暁斎展の特徴
東京・京橋の加島美術では、2026年6月13日から6月28日まで、幕末・明治の絵師・河鍋暁斎の画業に迫る展覧会「櫂 舟三郎コレクション 暁斎が描いた浮世のことども ―肉筆画と版画でたどるその画業―」を開催する。本展では、国内屈指の河鍋暁斎コレクター・研究者である藤田昇氏が長年にわたり蒐集した「櫂 舟三郎コレクション」から、選りすぐりの作品を展示。肉筆画・版画あわせて167点のうち、65点に上る作品が東京では初公開となり、観覧は無料である。
初公開作品と発見作品が多数出展
本展の大きな見どころは、これまで広く紹介される機会の少なかった初公開作品の豊富さにある。肉筆画は60点のうち35点、版画は94点のうち30点が初公開となる。なかでも、画工が手がけた大津絵から念仏鬼が現れるという名工譚を題材にした《大津絵戯画》は、全国初公開である。また、河鍋暁斎の画業初期にあたる20代前半の肉筆画は現存数が極めて少なく詳細が明らかでなかったが、このたび新たに発見された20代前半の肉筆画と推測される《鴛鴦図》を全国で初公開する。江戸狩野派の画風を色濃く残す本作は、暁斎芸術の最初期の画風をうかがうことのできる貴重な一作である。
秘蔵の名品と版画作品の充実
肉筆の団扇絵15枚を収めた画帖《惺々暁斎団扇絵聚画帖》は、上質な画材を惜しみなく用い、細部まで描き込まれた極彩色の作品で、現存する肉筆団扇絵の画帖は他に例がない。2019年にサントリー美術館で開催された「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展でも名品として紹介された。また、河鍋暁斎の画業を語るうえで欠かすことのできない浮世絵や版本などの版画作品も94点を展示。戯画や風刺画をはじめとする多様なジャンルの作品が並び、欧米列強を揶揄したとされる《新板かげづくし》や、諺を題材にユーモアを交えて描いた《狂斎百圖》など、暁斎ならではのユニークな表現が色濃く表れている。
河鍋暁斎について
河鍋暁斎(1831–1889)は、幕末から明治にかけて活躍し、「画鬼」とも称された絵師である。幼少期に浮世絵師・歌川国芳に絵の手ほどきを受け、11歳で駿河台狩野家の画塾に入門後19歳まで学んだ。流派を問わず様々な技法を糧にして独自の画風を築き上げ、生涯に数千点にも及ぶ作品を制作したとも言われている。激動の時代を生きた暁斎は、人々の暮らしや信仰、娯楽、風俗など、市井に生きる人々の関心や願いに応えながら、実に多種多様な題材を描き続けた。圧倒的な画技と自在な発想によって生み出された作品群は、今日なお多くの人々を魅了し続けている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000012878.html