深夜2時まで開く現代アート展が虎ノ門に出現、MASARU OZAKI『STILL NOT STARTED』
虎ノ門の夜間アート展『STILL NOT STARTED』とは
現代美術家MASARU OZAKIによる個展『STILL NOT STARTED』が、東京・虎ノ門のSei-fu Galleryにて開催されている。会期は2026年5月1日(金)から7月31日(金)まで。本展のテーマは「始まらないものの前で、見ることだけが始まる」であり、光、映像、立体、インターフェースを用いて「リアルとは何か」「見るとは何か」を問い続けてきた作家が、虎ノ門の夜の空間に知覚の揺らぎと静かな違和感を立ち上げる。
仕事帰りも立ち寄れる夜間営業の展覧会
本展は18時から翌2時まで開館している。日中のギャラリー体験ではなく、仕事帰りや夜の都市を歩く時間の中で作品と向き合うことができる展覧会だ。虎ノ門という都市の中で、夜にだけ立ち上がる光、静けさ、違和感が体験の一部となる。東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩3分という好立地も魅力である。
「PUSH START BUTTON」と「立てかけられたネギ」の呼応
本展の見どころは、大阪・関西万博で展示された「PUSH START BUTTON」を軸に、「立てかけられたネギ」の新シリーズが空間を囲むように展示されることだ。「PUSH START BUTTON」は、「押せば始まる」というゲームやシステムにおける身近な記号を扱った作品であり、「立てかけられたネギ」は倒れそうで倒れない、そこにあるようで確定しない存在として見る人の知覚に静かな揺らぎを生み出す。それぞれの作品が呼応することで、本展全体に「まだ始まっていないものの前で、見ることだけが始まっている」という状態が立ち上がる。
万博を経た作品と新シリーズが提示する違和感
本展に登場する「PUSH START BUTTON」は、大阪・関西万博で展示された作品をもとにしながら、虎ノ門のSei-fu Galleryでの展示に合わせて一部が新たに調整されている。同シリーズの作品はエストニアの首都タリンにあるPoCo – Pop and Contemporary Art Museumにも常設展示されている。万博という大きな公共空間を経た「PUSH START BUTTON」が、今回は夜の虎ノ門というより親密な空間の中で「始まり」と「未開始」のあいだにある違和感をあらためて提示する。一方、「立てかけられたネギ」の新シリーズは、ネギという日常的なモチーフが光や映像、立体と重なり合うことで、単なる物体でも単なる映像でもない存在として現れる。見る人は作品を眺めながら、自分が何を見て何を信じているのかを少しずつ問われていく。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000174579.html