音楽シーンの変遷とフェスの未来を語る、鮎貝健×ダイジロー対談


MTVから『ジャンクSPORTS』へ、MC・ナレーターの道を歩んで
新感覚音楽フェス「SAMURAI SONIC」実行委員長のダイジローが、音楽業界の有識者をゲストに招き、業界の知られざるエピソードや動向を深掘りする対談企画。第1弾のゲストは、数々の音楽番組やスポーツ番組でMC・ナレーターとして活躍し、日本の音楽シーンを最前線で見つめてきた鮎貝健さんである。
鮎貝さんのキャリアの原点は、アメリカでのバンド活動にある。東京出身ながら、父の転勤でアメリカに渡り、高校時代に再びアメリカに赴いた際に弟のバンドに加入。帰国後、当時流行していたBon JoviやKISSなどのコピーバンドを組んでいた。その後、電車内での出会いがきっかけでMTVジャパンのオーディションを受け、アメリカ側のスタッフが彼の雰囲気を気に入ったことから、J-WAVEでの番組立ち上げ、『ジャンクSPORTS』や『JAPAN COUNTDOWN』へと繋がっていったという。『ジャンクSPORTS』は深夜番組からゴールデンタイムへ昇格し、10年間の長寿番組となった。
マーティ・フリードマンとの共演、『ROCK FUJIYAMA』の立ち上げ
鮎貝さんとマーティ・フリードマンの関係は、2005年のゲーム『ヘビーメタルサンダー』の宣伝番組『ヘビメタさん』で始まった。熊田曜子さんとマーティ・フリードマンとともに出演した同番組は、その後『ROCK FUJIYAMA』として地上波で復活し、1年ほど放映された。その後、コロナ禍の時期にマーティのマネージャーから再び番組をやりたいという提案があり、YouTubeでの配信が決定。現在はマーティとROLLYの3人で『ROCK FUJIYAMA Channel』を制作しており、登録者数は35万人を突破しているという。
90年代フェス黎明期の思い出、フジロックとサマソニの変遷
ダイジローが初めて訪れたライブはマキシマム ザ ホルモンや10-FEETであり、『ARABAKI ROCK FEST.』の仙台のフェスが最初だったとのこと。彼は2020年にコロナをきっかけに「SAMURAI SONIC」を立ち上げ、当初の動員は800人程度だったが、今年は幕張で4回目を開催するまでに成長したという。
鮎貝さんは、90年代のフェスシーンについて語る。フジロックは97年に天神山で、98年に豊洲で開催され、その際には『The Prodigy』や『Björk』といった海外の一流アーティストが来日した。豊洲は当時開発途中だったにもかかわらず、LUNA SEAのメンバーが控えていたり、その後LUNA SEAが10万人規模のライブを開催したり、98年に豊洲で『AIR JAM』が開催されるなど、日本の音楽シーンにおける重要な時期だったという。
アメリカのロックシーン、ビザ問題と日本のバンドの海外進出
アメリカのロックシーンは現在、下火と言われているが、去年オジー・オズボーンがウェンブリー・スタジアムで最後のライブを行った際、『EXTREME』のヌーノ・ベッテンコートは「ロックは本来アンダーグラウンドなものだから、そこに戻っている。でもこれだけみんな集まったってことは、アンダーグラウンドはクールなんだ」とコメントしたという。
最近は日本のバンドがアメリカでライブすることが増えているが、ビザの問題が大きな課題である。ビザ取得には1人100万円程度かかるとのこと。土屋アンナはアメリカ国籍を持つため費用がかからないが、九州出身の3人組バンド『ASTERISM』は「100万払いました」とコメントしている。このバンドはアメリカの『Anime Expo』という40万人規模のフェスで出演経験があるという。
海外アーティストとの対談、ブライアン・アダムスやU2との思い出
鮎貝さんはJ-WAVEでの最初のインタビュー相手がブライアン・アダムスだったという。レコード会社の担当者から「ブライアンはインタビュー嫌いだ」と聞かされ緊張していたが、実際に会ってみると彼は「落ち着いて、お水飲む?」と優しく対応してくれたそうだ。また、スティングのインタビューのためにソルトレイクシティへ派遣されたり、U2がラスベガスの砂漠のスタジアムでライブを行った際、オープニングバンドのオファーを受けたが、時差ボケで寝てしまい、それが『Rage Against the Machine』だったという失敗談も語られた。
当時のアーティストはインタビューに応じない傾向があったが、現在は状況が変わってきたという。Kornのジョナサン・デイヴィスやSlipknotのコリー・テイラーなど、以前は頑なだったアーティストもフレンドリーになってきているとのこと。
フェスの「カラー」作りの重要性、『SAMURAI SONIC』への期待
ダイジローは「SAMURAI SONIC」のフェスとしての強みを作ることの重要性を語り、『ROCK FUJIYAMA』とのコラボレーションの可能性を提案した。鮎貝さんは、色々なフェスが増える中で「そのフェスならではのカラー」を出すことが課題だと指摘し、『氣志團万博』の綾小路翔が全ステージに登場する戦略を「天才だ」と評価している。
日本特有のフェス文化についても語られ、『花冷え。』というバンドが海外ツアーで成功している例が挙げられた。原宿カルチャーと「可愛い」という要素がメタルと融合し、好評を得ているという。BABYMETALも同様に技術が尋常でなく、そうした日本特有の要素をいかに見せていくか、バランスが試されていると述べられた。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000171458.html