日本人の精神とは何か――佐伯啓思が権威と空気の構造を解き明かす


西欧文明との遭遇がもたらした「日本人論」への執着
日本人はなぜ「日本人論」に惹かれ続けるのか。社会思想家・佐伯啓思氏による新刊『日本人の精神Ⅰ 権威と空気の構造』は、この根本的な問いから出発する。西欧文明との遭遇がもたらしたアイデンティティの危機こそが、日本人を自己分析へと駆り立ててきたのだという。その答えを求めて、日本社会の深層構造へと読者を導く渾身のシリーズ第一弾である。
天皇と外来文化が交差する独自の社会構造
本書では、日本社会を形作ってきた二つの「権威」に焦点が当たる。一つは天皇制度という伝統的権威、もう一つはアメリカニズムをはじめとした外来文化の権威である。この相異なる二つの権威が日本社会のなかで複雑に交差し、独自の方法で受け止められていく。その過程で生まれる「空気」こそが、日本人の無意識に作用してきた「見えざる原則」となっているのだ。
半世紀の思考の旅が結実した終大成
著者の佐伯啓思氏は1970年代、大学院で経済学や経済思想を研究していた。その後、政治学や社会学、西洋哲学などの分野を横断しながら、半世紀の時を経て「日本人論」へたどり着いた。本書『日本人の精神』三巻シリーズは、この長い思考の軌跡の集大成ではなく「終大成」だと著者自身が述べている。知的関心の深化ではなく、専門領域の横断によって到達した一つの答えなのである。
2026年5月21日に新潮社から刊行
『日本人の精神Ⅰ 権威と空気の構造』は、新潮選書として2026年5月21日に新潮社より発売される。定価は1815円(税込)、ISBN番号は978-4-10-603945-4。著者・佐伯啓思氏は京都大学名誉教授で、『隠された思考』でサントリー学芸賞を受賞するなど、多くの著作を通じて日本の思想史に重要な寄与をしてきた思想家である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002937.000047877.html