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画廊で出会う、あの名作「公募 芥川龍之介『蜜柑』を描く展」

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アート・絵画・工芸
公募ニュース

芥川龍之介「蜜柑」を描く展事務局が、小説「蜜柑」(芥川龍之介著)の指定情景をイメージして描いた作品を募集しています。一次審査通過作品は銀座のギャラリー枝香庵にて展示され、大賞作品は200万円で買上げとなります。審査員は直木賞作家・志茂田景樹氏、画家の小木曽誠氏、塩谷亮氏、コレクターの御子柴大三氏。応募期間は2022年10月1日から11月30日です。芥川作品の世界観を、あなたの感性で描いてみませんか?

銀座の空に浮かぶギャラリーに、あなたの作品を

東京・銀座は画廊(ギャラリー)の街。気軽に立ち寄れる小さなギャラリーも多く、枝香庵もそのひとつで、ジャンルや有名無名を問わず、魅力ある作品を紹介しています。コレクターによる展覧会も多く開催されており、本賞も『蜜柑』の一場面に感銘を受けたコレクターによる企画です。

ギャラリーは松屋通り沿いの細いビル、エレベーターで7Fを降りたところにあります。

 

初めて訪れる人でも入りやすい、アットホームな雰囲気です。

 

ほどよい広さの室内には小さなステージもあり、展示方法をさまざまにアレンジできる空間。作品とじっくり向き合うことができます。

 

さらに、パリのアパルトマンを思わせるかわいい階段を上がった先の屋上には、休憩できるように椅子とテーブルが並べられています。銀座の風を感じながら、アートの余韻に浸れそうです。

今も多くの読者に愛される芥川作品。アートに携わる人だけでなく、文学ファンからの注目も集める展覧会になりそうです。銀座の素敵なギャラリーに、自分の作品が展示されることを想像するだけでワクワクしますね。

読者を虜にする名場面

『蜜柑』を教科書で読んだという方も多いのではないでしょうか。私が以前勤務していた学校では、国語の先生たちに大人気でした。「いいよね、『蜜柑』!」と、目をキラキラさせて語っていたのを思い出します。その魅力はなんといっても「少女が汽車の窓から蜜柑を投げる名場面」にあるのだとか。今回募集されている絵のテーマも同じ箇所です。それまでの物語の流れが暗く沈んだ空気感を醸しだしているため、蜜柑のあざやかな色彩と、少女と少年たちの躍動的な別れのシーンへの切り替えがより鮮明に印象に残るのかもしれません。

この作品はとても短いので、すぐに読み終えることができます。絵のテーマに指定されている箇所は主催者WEBサイトにも掲載されていますが、まだ読んでいない人、内容を忘れてしまった人は、ぜひ全文も確認してくださいね。語り手である「私」の少女を見る目が変わる様子や、少女が汽車の窓から蜜柑を投げた理由など、その背景を理解し、登場人物たちの心情を想像することで、より深い作品に仕上げることができるでしょう。

文豪もときめく、令和の蜜柑

空を舞う蜜柑と、それを受け取る少年たちの歓声が聞こえてくるような描写から、あざやかな蜜柑色がぱっと広がる情景が目に浮かび、画家ならずとも思わず絵筆を取りたくなるでしょう。さらに、登場人物の心情にまで思いを馳せれば、蜜柑ひとつひとつに込める筆にも力が入りそうです。同じ場面でも、読者によって感じ方はさまざまで、表現方法も千差万別。主催者によれば、必ずしも登場人物などを描く必要はないとのことなので、あなたが感じたままをキャンバスいっぱいに広げてください。

展覧会は2023年1月12日から17日まで。ちょうど蜜柑がおいしい季節です。文豪もきっと、あなたの蜜柑を楽しみに待っていますよ。

 

公募 芥川龍之介「蜜柑」を描く展

●賞:大賞=賞金200万円(買上げ)

●締切:2022年11月30日(水)

さんたろう

フリーランスの図書館司書&ライター。旅が好き。地方発の公募情報は、旅ゴコロをくすぐる。

出典:https://digitalcom.tokyo/mikan/

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