せきしろの自由律俳句 第63回「洗う」結果発表
第63回 課題:洗う
せきしろの一句
最優秀賞
広がった薄い茶色を思い出としよう
(東京都 フランチャイズの犬 16歳)
優秀賞
紅白帽が吊るされている月曜日
(沖縄県 みつき 48歳)
色を流すように筆を洗う
(東京都 古屋郁美 27歳)
佳作
五月雨がやさしく洗ってる父の墓石
(東京都 井川一太郎 84歳)
雨に洗われた鉄棒が並んでいる
(長崎県 毎日ハッピ― 45歳)
落とした傘を雨で洗う
(東京都 naoki 28歳)
知りたい醤油を閉じた人
(宮城県 ピリマン 19歳)
コップの縁を一周する
(山梨県 アロエ 30歳)
使わなかった小皿を洗わず戻す
(神奈川県 へやぼし 32歳)
ずぶ濡れのわけも聞かず洗濯機は回る
(和歌山県 中村まふゆ 49歳)
家族が増えて洗濯機が大きくなって
(北海道 エリンギ 35歳)
影を洗うみたいに揺れる水たまり
(大阪府 まちこまち 17歳)
もう二度と洗われないユニフォームに春
(三重県 マタキチ 18歳)
洗濯ネットだけが乾いている
(大阪府 フルカワ 30歳)
あの父が皿を洗っている
(鳥取県 きゅうりのたこよ 31歳)
お札を洗ってパチンコ
(岡山県 白とり貝 32歳)
洗車すら楽しんでいて大人
(東京都 しまこう 35歳)
流し台に美術の跡
(東京都 稲葉智子 42歳)
とぎ汁と数粒を流す
(秋田県 紀野珍 46歳)
夏が近いナス洗う音
(愛知県 タカタカコッタ 46歳)
これでもかと言わんばかりの水圧で
(東京都 ビールおかわり 50歳)
干されているSサイズの長州力Tシャツ
(岐阜県 場外 51歳)
洗いざらした初夏を羽織る
(千葉県 xissa 56歳)
1970年北海道生まれ。俳人、コラムニスト。芥川賞作家でお笑いタレントの又吉直樹との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』のほか、『たとえる技術』などの著書がある。
イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト
自由律俳句は、定型(五七五)ではない俳句です。定型ではありませんが、どこかリズム(律)のある句を募集します。句読点は使わず、俳句らしい味わいを意識して、心にしみるような情景、共感できるような情景を切り取ってください。俳句のもとは俳諧ですから、滑稽味があってかまいません。しかし、笑いだけではなく、しみじみ、ペーソス、人間くさいといった句を期待しています。
- 応募規定
- 定型(五七五)でない自由律の俳句。
面白コピーの募集ではなく、定型ではない無季俳句。
- 応募上のご注意
- ・ペンネームを使わない方は、応募フォームのペンネームの欄に本名をお書きください。
・応募フォームの「年齢」の欄は必ずお書きください。
・応募点数に制限はありませんが、1応募につき1作品とします。
- 応募規定
- 作品は未発表作品とし、採用作品の著作権は公募ガイド社に帰属。
応募者に弊社から公募に関する情報をお知らせする場合があります。
- 賞
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優秀賞2点=Amazonギフト券2000円分
佳作10点=記念品
- 公募ポイント
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応募者全員=5pt追加
【最優秀賞】 さらに50pt追加
【優秀賞】 さらに30pt追加
【佳作】 さらに10pt追加
※応募者全員ポイントの付与は各回ひとり1回までです。
※ポイント付与は結果発表の時期に行われます。
- 募集中のお題
- 第65回「紙」
応募期間 ~6月20日
第66回「明日」
応募期間 6月25日~7月20日
- 発表
- 第65回 2022年8月15日 WEB上
第66回 2022年9月15日 WEB上