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せきしろの自由律俳句 第61回「おわり」結果発表

タグ
川柳・俳句・短歌・詩
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せきしろ自由律

【自由律俳句とは】

自由律俳句は定型にこだわらず(定型ではなく)、しかし、リズムはある俳句。

情景を切り取り、その中に心情を込めてください。

 

結果発表

第61回 課題:おわり

 

せきしろの一句

これから感想を言わなければいけない

 

最優秀賞

クギが抜ける

(福岡県 君・白・魅 60歳)

6文字という短律の句である。釘が抜けたことは作者にとって良かったことだったのか、それとも良くないことだったのかはわからないものの、どちらにせよたしかに終わりを感じさせてくれる6文字だ。

 

 

優秀賞

夕焼けがおわり遅番が来る

(神奈川県 哲ロマ 42歳)

夕焼けという言葉は終わりをイメージさせる。学校の終わり、仕事の終わり、一日の終わり。しかし、夕焼けの色が始まりを知らせるものも無数にある。どちらでもない不規則な人もいる。「生活」を強く感じさせてくれる句だ。

 

 

閉店まで居座るために残したひと口

(兵庫県 守谷直紀 46歳)

喫茶店に行き、コーヒー一杯でなんとか粘ろうとするも、飲み干してしまうと片付けられてしまい、お代わりをしない限り終わりだ。そこで、少しだけ残しておく方法を選択するも、それでも片付けられる時がある。

 

 

佳作

家がなければずっと2人なのに
(千葉県 空創 15歳)

いまを切なくしてくれる
(大阪府 まちこまち 17歳)

拍手のタイミングを見極める
(福島県 きりんのき 20歳)

公衆トイレにたんぽぽの綿毛
(大阪府 反時計 22歳)

従兄弟と馴染んできた頃に
(京都府 NCハマー 45歳)

輪唱がおわるのを待つ
(長崎県 毎日ハッピ― 45歳)

小説を読む右手が重くなっていた
(千葉県 佐藤芳治 18歳)

ダ・カーポを通過し続け未だ今
(北海道 てふ子 18歳)

笑顔も本日分は終了
(千葉県 花澤希海 19歳)

片付けも青春だったと今更気付く
(兵庫県 金戸環希 19歳)

お時間10分前ですの電話
(静岡県 みるい 20歳)

終点まで乗るのに座れない
(神奈川県 へやぼし 32歳)

好きだったのに結末は忘れている
(東京都 おち葉 33歳)

品出し台車が明日を積んで来た
(東京都 しまこう 34歳)

赤いレシートと途切れない客
(北海道 エリンギ 34歳)

黒板の日直は金曜のまま
(和歌山県 中村まふゆ 48歳)

舐め切ったアイスのはずれ棒
(東京都 めぐっち 49歳)

砂時計がおわりをが告げる
(愛知県 河村惠子 70歳)

夫婦喧嘩終わってやっと犬に飯
(山形県 山口あきら 78歳)

 

今月の総評

『家がなければずっと2人なのに』は実にみずみずしい句である。いつまでも遊びたいが門限がある。それが終わりの時間なのだ。『いまを切なくしてくれる』からは、たしかに終わりを考えた途端切なくなるものだということを改めて知った。『拍手のタイミングを見極める』は誰にでも身に覚えがあるだろう。本当に曲が終わったのか、すぐに次の曲にいくパターンではないか、今のトークのところは拍手すべきか、拍手したら流れが悪くなってしまうのではないか、絶対に今のところはすべきだったのではないか、パラパラとしか拍手がないから続く必要はないのではないか、などと絶えず考えさせてくれる。『公衆トイレにたんぽぽの綿毛』は絶望してしまう終わりである。いやまだチャンスがあるかもしれない。『従兄弟と馴染んできた頃に』には久々に会ったから最初はどこか余所余所しかったのに、どんどんと仲良くなり、しかしまた別れが来るという子どもならではの感情の変化が凝縮されている。『輪唱がおわるのを待つ』は、輪唱は歌い終わったなら必ず後続のグループの終わりを待たなければいけない、そうしなければまた始まってしまうという秘められた危険性に気づかせてくれた。

 

プロフィール

せきしろ

1970年北海道生まれ。俳人、コラムニスト。芥川賞作家でお笑いタレントの又吉直樹との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』のほか、『たとえる技術』などの著書がある。

 

イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト

募集要項


自由律俳句は、定型(五七五)ではない俳句です。定型ではありませんが、どこかリズム(律)のある句を募集します。句読点は使わず、俳句らしい味わいを意識して、心にしみるような情景、共感できるような情景を切り取ってください。俳句のもとは俳諧ですから、滑稽味があってかまいません。しかし、笑いだけではなく、しみじみ、ペーソス、人間くさいといった句を期待しています。

 

応募規定

定型(五七五)でない自由律の俳句。

面白コピーの募集ではなく、定型ではない無季俳句。

応募上のご注意

・ペンネームを使わない方は、応募フォームのペンネームの欄に本名をお書きください。

・応募フォームの「年齢」の欄は必ずお書きください。

・応募点数に制限はありませんが、1応募につき1作品とします。

応募規定

作品は未発表作品とし、採用作品の著作権は公募ガイド社に帰属。

応募者に弊社から公募に関する情報をお知らせする場合があります。

最優秀賞1点=5000円(商品券)

優秀賞2点=2000円(商品券)

佳作10点=記念品

公募ポイント

mottomo会員の方は、ログイン後WEBから応募するだけで自動的にポイントがたまります。

応募者全員=5pt追加

【最優秀賞】 さらに50pt追加

【優秀賞】 さらに30pt追加

【佳作】 さらに10pt追加

※応募者全員ポイントの付与は各回ひとり1回までです。

※ポイント付与は結果発表の時期に行われます。

募集中のお題

第63回「洗う」

応募期間 3月25日~4月20日

 

第64回「返事」

応募期間 4月25日~5月20日

発表

第63回 2022年6月15日 WEB上

第64回 2022年7月15日 WEB上