毎年さくらんぼを贈っていた相手がいたのでしょう。もしかしたら、亡くなってしまったのかもしれません。受取人のことなど関係なしに、さくらんぼは今年も紅く美しく熟していきます。 音読するとよくわかるのですが、下句が「それでも」と始まるところで、ぐっとアクセルを踏み込んだような勢いがついています。受取人がもういないという悲しさが、さくらんぼの美しさと対比されて際立つ一首です。