藤峰傑さんの「ツチノコ」は、「僕」が小学校三年のとき、夏休み直前の話。「成績優秀で運動神経もよく真面目すぎず堅すぎもしない土屋くん」がいきなり「ツチノコ」を見たというのだ。あの「土屋くん」がいうならほんとうかも、そう思って、みんなは「ツチノコ」を探す。けれども見つからない。やがて夏休みが始まって、それも終わり、新学期になると「土屋くん」が転校したことがわかる。どうやら「土屋くんの家族」は借金取りから逃げ出したのだ。いったい、なぜ、そんなことをいったのか……読んでも、それがわからなくて、ちょっと困りました。