誰かが亡くなり、新しい命が生まれ、入れ替わりながらも親族として集う人間の不思議さ、静かな力強さを感じる一首です。 「法要を編む」という表現が秀逸。編むという動詞には「日程を編む」などの使い方もあるにはありますが、「法要を編む」とはめずらしい使い方ではないでしょうか。 「一人欠け一人増えして」という部分には、編み物の棒を出し入れするようなイメージも重なります。よろこびや悲しみ、ときには憎しみや恨みもひっくるめながら、命が脈々と編まれていく凄みを感じます。