公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

せきしろの自由律俳句 第48回「休み」結果発表

タグ
川柳・俳句・短歌・詩
投稿する
せきしろ自由律

【自由律俳句とは】

自由律俳句は定型にこだわらず(定型ではなく)、しかし、リズムはある俳句。

情景を切り取り、その中に心情を込めてください。

 

結果発表

第48回 課題:休み

 

せきしろの一句

引っ越しの段ボールに座って食べる

 

最優秀賞

静かな部屋で静かにしている

(大阪府 武内青色 21歳)

静かな部屋でうるさくすると嫌がる人がいそうだし、うるさい部屋で静かにするのは苦痛かもしれなく、また「ノリが悪い」と言われる可能性もあり、すると静かな部屋で静かにするかうるさい部屋でうるさくするの二択になるわけだが、この句の作者同様、私は前者を選ぶのである。

 

 

優秀賞

夕日差し込む部屋で足裏を押す

(神奈川県 オレンジ 31歳)

休みの日の夕方というのは憂鬱になりがちである。特に何もしていないと「せっかくの休みだったのに」と後悔してしまいがちだ。しかし足裏を押したなら何もしなかったわけではない。西日を浴びながらのマッサージなど意外と機会がない。しかも休日はまだ6時間はあるのだ。

 

 

濡れた石で休むしかない

(東京都 ひらめきウインナー 39歳)

やっと見つけたベンチは昨日の雨で濡れていて、できるだけ濡れていない場所を探して座る時がある。混雑した街の中では休む場所はどこもいっぱいで結局ちょっとした段差に座ることになる。たまたま空いていた席はテーブルがガタガタしている。それでもそこで休むのである。

 

 

佳作

今日こそは今日こそは髪を染める
(北海道 エリンギ 33歳)

日曜日じゃなかったらそのファッションは罪
(埼玉県 ちいこ 38歳)

公園の主と呼ばれる日
(茨城県 一本槍満滋 37歳)

廃品回収車が二周目だ
(千葉県 飯田多寿子 68歳)

とりあえず多めに作った焼きそば
(東京都 稲葉智子 41歳)

即席ラーメンにワカメを入れてみる
(福島県 きりんのき 19歳)

二度寝しなかった世界線とか
(神奈川県 くにさき 22歳)

机だけが陽を浴びている
(愛知県 鮎 39歳)

いつもより座椅子の角度が大きい
(北海道 吉村侑太 35歳)

Amazon迷って日暮れ
(北海道 みよおぶ 29歳)

やかんを火にかけ爪を切る
(東京都 しまこう 33歳)

度を超えた昼寝
(東京都 古屋郁美 26歳)

ただ夜を迎えただけ
(長野県 横山かおり 50歳)

夜のニュースで暖かい日だったことを知る
(東京都 かつらぎるな 49歳)

休み時間に勉強する
(京都府 芦田為美 84歳)

すごろくのサイコロが回ってこない
 (東京都 文月 18歳)

ジャイアントスイングしてくれる友の回復を待つ
 (長崎県 毎日ハッピー 45歳)

久しぶりに小学生の声を聞く
(岐阜県 次元 29歳)

最終日の半日観光
(京都府 NCハマー 44歳)

下がった熱で見るNHK教育
(大阪府 石川聡 39歳)

 

今月の総評

『公園の主と呼ばれる日』は他人事ではなく、私は昼間ブラブラして公園で休んだり、同じ店に立ち寄ったりしているから少なからず何かの「主」と呼ばれている可能性がある。『机だけが陽を浴びている』からは学校を休んだ日を思い出す。布団の中からこの光景を見たことがある気がする。休日に学校の教室に行った時も見たことがあるはずだ。どちらも静かで穏やかだ。『Amazon迷って日暮れ』に似たものとして、休日前日に通販サイトを見始めてあれこれ迷っているうちに朝になってしまい、結局昼間寝まくって休みを潰してしまうパターンもある。『やかんを火にかけ爪を切る』はふたつの音が入っている俳句であるが静かである。『休み時間に勉強する』を送ってくださった世代の方は、休み時間に勉強するということに対してどう思っていたのか気になるところ。『久しぶりに小学生の声を聞く』は夏休みや冬休みが終わった時期に学校のそばを通った時に実感するものだ。昨年の自粛明けも然り。『最終日の半日観光』は旅の終わりの寂しさと溜まった疲労が伝わってくる。

 

プロフィール

せきしろ

1970年北海道生まれ。俳人、コラムニスト。芥川賞作家でお笑いタレントの又吉直樹との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』のほか、『たとえる技術』などの著書がある。

 

イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト

募集要項


自由律俳句は、定型(五七五)ではない俳句です。定型ではありませんが、どこかリズム(律)のある句を募集します。句読点は使わず、俳句らしい味わいを意識して、心にしみるような情景、共感できるような情景を切り取ってください。俳句のもとは俳諧ですから、滑稽味があってかまいません。しかし、笑いだけではなく、しみじみ、ペーソス、人間くさいといった句を期待しています。

 

応募規定

定型(五七五)でない自由律の俳句。

面白コピーの募集ではなく、定型ではない無季俳句。

応募上のご注意

・ペンネームを使わない方は、応募フォームのペンネームの欄に本名をお書きください。

・応募フォームの「年齢」の欄は必ずお書きください。

・応募点数に制限はありませんが、1応募につき1作品とします。

応募規定

作品は未発表作品とし、採用作品の著作権は公募ガイド社に帰属。

応募者に弊社から公募に関する情報をお知らせする場合があります。

最優秀賞1点=5000円(商品券)

優秀賞2点=2000円(商品券)

佳作10点=記念品

公募ポイント

mottomo会員の方は、ログイン後WEBから応募するだけで自動的にポイントがたまります。

応募者全員=5pt追加

【最優秀賞】 さらに50pt追加

【優秀賞】 さらに30pt追加

【佳作】 さらに10pt追加

※応募者全員ポイントの付与は各回ひとり1回までです。

※ポイント付与は結果発表の時期に行われます。

募集中のお題

第50回「買い物」

応募期間 2月25日~3月20日

 

第51回「願い」

応募期間 3月25日~4月20日

発表

第50回 5月8日 WEB上

第51回 6月9日 WEB上