内田康夫「浅見光彦シリーズ」最新作、完結編を公募
西村京太郎さん・山村美紗さんとならぶ、旅情ミステリーの代表的作家人物として知られる内田康夫さん(82)。人気の「浅見光彦シリーズ」114作目の『孤道』を毎日新聞の夕刊で連載していた2015年の夏に脳梗塞に倒れ、休載中となっていました。回復をまって執筆を再開する予定でしたが、3月21日に小説の休筆を宣言。連載中断で未完となってしまった今作の完結編となる原稿を、プロアマ問わず、広く公募することを発表しました。
公式サイト(http://www.mainichi.co.jp/kodo/)には、「連載を病気のため断念せざるをえないが、他の才能ある人に託したい」という小説をあきらめない内田さんからのメッセージや、作家デビューの裏話などが掲載されています。
主人公の浅見光彦は東京出身の独身33歳。フリーのルポライターで、素人探偵という肩書も持っています。シリーズ第1弾『後鳥羽伝説殺人事件』では、妹の死と連続殺人事件の真相を追いました。たびたびドラマ化もされ国広富之さん・水谷豊さん・辰巳琢郎さん・沢村一樹さん・速水もこみちさんなどが浅見役を演じています。
また、作者である内田氏が「軽井沢のセンセ」という愛称で作中に登場するのも特徴で、浅見が遭遇する事件の顛末を小説に執筆するという役柄で、浅見にルポライターの仕事を紹介したことも。ドラマではご本人がカメオ出演したことも話題になりました。昨春には軽井沢に『浅見光彦記念館』もオープンし、ファンにはたまらないとこちらも評判です。
今回の『孤道』和歌山・熊野古道と大阪の阿武山古墳をめぐるストーリー。石像の頭部が持ち去られ、地元の不動産会社社長が殺害された事件の謎は未解決のままで、これからという所でした。累計約9600万部の人気シリーズ、新しい才能にゆだねられたこの物語の結末をつづるのは、あなたかもしれません。